「マグネットセット」「水で膨らむボール」に販売規制 中古品も対象に
2023年05月17日
「マグネットセット」「水で膨らむボール」の販売規制が6月19日から始まる。中古品も対象となる。乳幼児の誤飲事故が多発しており、対策に乗り出す。
本規制は、経済産業省と独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が今月16日に発表した。「消費生活用製品安全法施行令の一部を改正する政令」が閣議決定され、6月19日より施行となる。
対象となる玩具はマグネットセット(磁石製娯楽用品)と呼ばれる複数の磁石を組み合わせて遊ぶ玩具と、水で膨らむボール(吸水性合成樹脂製玩具)の2つ。これらの玩具は、誤って飲み込んだ場合に摘出が必要となるなど、健康被害が問題視されてきた。
例えばマグネットセットの誤飲により、開腹手術による摘出が必要となった事故が17年~22年までの6年間で11件発生しており、水で膨らむボールは21年に4件発生している。海外では死者も発生している。
施行から6ヵ月間は移行期間となり、12月から正式に規制となる。経済産業省の担当者は「中古品も規制の対象となる」という。技術基準を満たした「PSCマーク」のある商品を除き、販売した場合に処罰される可能性がある。「PSCマーク」表記のない当該商品を販売した場合、法律により1年以下の懲役または100万円の罰金、もしくは併科となる。
本件の認知が広まることで、消費者や在庫を持つ小売業者からの買取持ち込みが増える可能性がある。中古事業者も注意が必要となりそうだ。
第561号(2023/06/10発行)5面