そうだ、古着屋をやろう――。
1年と少し前の僕は唐突にそう思いました。ギリギリな生活を抜け出すためにはもはやこれしかない、と藁にもすがる気持ちで古物商として開業したのです。
はじめまして、リサイクル通信でライターをしているZ世代のリュースケと申します。僕は今から2年半前の25歳の頃に、ほぼ勢いで地方に移住しました。大学卒業後に愛知から上京してリサ通で記者業をしていましたが、都会生活があまりに合わなくて逃げるようにして中国地方のとある町に移住したのです。幸い、移住後もリサ通からライターとして仕事を頂けていましたが、家族も恋人も友人も誰一人いない町でフリーのライターとして生きていくのは、想像以上に大変でした。
メルカリで売れたシナコバのニット
そもそも地方でこれといってやりたいことがあったわけでもありません。本当に勢いで移住してしまったのでした。そうしてしばらくライター業で細々と生計を立てていましたが、ある日猛烈な不安に駆られました。
(あれ、なんか人生詰んでない?)
第561号(2023/06/10発行)20面