ジャンフル、新品衣料から古着へ転換

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「古着開業物語」

ジャンフル、新品衣料から古着へ転換

2023年07月13日

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古着の買取販売店「ジャンフル」を展開するツーウェイ(京都府福知山市)は創業当初、新品雑貨やアパレルなどを手掛けていたが、市場の変化を受けて古着事業に参入。一時は借金が膨らむなど苦境を経験したが、古着事業を拡大し、あわせて経営方針を転換させたことで順調に業績を伸ばしている。狙うのは大手や競合が手を付けない取りこぼし領域だ。

競合の取りこぼしを徹底追求

買取店3店展開

ジャンフル レディースに特化して買取しているレディースに特化して買取している

同社は北近畿でレディースに強い古着買取店を3店運営し、うち1店は古着販売店も兼ねている。事業の粗利は年で1800万円ほど。新品雑貨・アパレル店を展開して一時は年商1億円までに拡大したが途中でつまずき、古着事業で再起を図って現在に至る。固定費を抑えることを重視しており、3店舗あわせて家賃は約13万円。広告費はこの10年かけていない。仕入れは店頭買取・業者買取が中心で、確かな人間関係が仕入れの安定に貢献している。主な販路はヤフオク!・メルカリなどのネットで、このほか古着店に卸すケースもある。独自の取組みとしては顧客に生命保険の営業もかけている点だ。「保険営業する古着店は日本初なのでは(笑)。広い意味で顧客の困りごとを解決し、常連さんと深く関係を構築している」と田畑敦司社長。

絞ることが指針

経営難に陥った過去を経て、田畑社長は経営方針を大きく変えることに。これが1つの分岐点だった。その際に参考にした書籍が「弱者の戦略(栢野克己 著)」「小さな会社№1のルール(佐藤元相 著)」だ。これらの中で言及されていた大手企業との闘い方についての説明を、田畑社長はこう解釈した。それは「商品を絞る」「地域を絞る」「顧客を絞る」の3点を守るということだ。こうして田畑社長は商品を古着、地域を北近畿、(買取)顧客を主婦にそれぞれ絞ると、地域密着型のビジネスとしての認知を獲得してリピーターが増えると、事業もおのずと上向いていった。結果として銀行に返せる返済額も増え、厳しかった労働条件も見直して土日は家族との時間に充てられるようになったという。「ローカルに特化して販売買取の金額面で頑張ることで、一時は損したように見えても、その後の再来店や業者の紹介につながり、長い目で見ると成長できている」(同氏)。

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第563号(2023/07/10発行)19面

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