ネコノミクスが中古品に波及、ブランド・作家モノの人気が上昇
2024年04月09日
街中の猫カフェやYouTubeの猫ミームなど、世間で猫の人気が増す中、古物の世界でも猫モチーフ品(猫関連の商品)を扱う専門店が目立ちはじめている。猫の経済効果「ネコノミクス」は2.5兆円とも言われており、侮れない規模だ。こうした中、中古の猫モチーフ品の人気も高まっており、特定のブランド・作家モノによっては相場が新品を上回ることもあるという。
猫モチーフ古着
著名人着用で人気
古着の猫T。アーティストの着用が人気に火をつけたようだ
昨年末に開業して猫の雑貨やペット用品などをショッピファイで販売するフレーメンストアでは、猫モチーフの古着が人気だ。同店を運営する安部川夫婦は、妻の萌さんが無類の猫好き、旦那さんが古着好きという強みを活かし、開店間もない時期でもすでに十数着の猫モチーフ古着を売った。売れたのはstudio Qやシュプリーム、ハワイのクレイジーシャツなどのアメリカのブランド古着で、胸辺りに猫がプリントされたものだ。
また、特に人気というのが90年代に活躍したアーティスト、ボブハリソン氏が描いた猫のイラストがプリントされた古着だ。歌手のあいみょんが着用したことで、若者世代にも人気が広がっているという。猫モチーフ古着の在庫は、二人のコレクションやイーベイで買い付けたものでまかなわれている。
猫専門書店
同業が増える
猫専門の新刊・古書・雑貨店「書肆 吾輩堂」(福岡県福岡市)の大久保京店主は、近年の猫に対する関心の高さをメディアの動きから感じるという。「この十年で文芸春秋やライフスタイル誌、女性誌などが年に一回は猫の特集企画を組むように。それまで猫を定期的に取り上げる本は『ねこのきもち』くらいしかなかった」(同氏)。同店が2013年にネットショップを開店してから都内でも「にゃんこ堂」「キャッツミャウブックス」「ネコヤブックス」などの猫専門書店が立て続けに誕生したことも、猫に対する社会の受け止め方の変化が表れているのでは、と説明する。
第581号(2024/04/10発行)16面