チケット売買講座(13) 株主優待券(私鉄)
今回は航空株優、JR株優と同様に毎年5・6月に発行される私鉄の株主優待券についてご紹介します。(航空株優と私鉄株優は年2回発行)JR株優よりも枚数が多く発行されているので流通量も非常に多く、こちらも株主優待の中では比較的利幅の取れる商材の一つです。どんな種類があり、どのように運用したらリスクなくできるかお話させて頂きます。
まず、私鉄株優の有効期限はほとんどが半年間ですが、中には1年有効のものもわずかですがあります。また、株主の元に届いた時点ではまだ使用できないものもあるので販売時には注意が必要です。株優の種類に関しては大きく分けて下記の通りです。
全線1回乗車券
1回乗って降りるまでなら電車、バスなど全線どこまでも乗れる切符タイプ。中にはカード式のもので、そのまま改札が通れたり、券売機で切符に交換できるものもある。特急券を別途購入すれば特急にも乗れる。1日乗車券と勘違いするお客様も多いので説明が必要。特に私鉄の始点・終点付近にこの株優を販売できる店舗がある場合は飛ぶように売れる。需要が多く、在庫確保が必要なため買取強化を行っている店舗も多い。
全線半年乗車証
定期タイプで電車全線、電車・バス全線と種類があり、こちらは期限内であれば何回でも乗り降りが自由となる。私鉄によって株主の名前や企業名が印字されているが、基本的には持参人であればだれでも使用可能。こちらも特急券を別途購入すれば特急にも乗れる。1回乗車券よりも出回る枚数は非常に少なく、また金券ショップでは売買ともに予約のお客様を確保している店舗も多いので、新規客の獲得が難しい反面、利幅が非常に多いので買取に特に注力した方がいい。販売はオークションなどを利用しても高値が付くので店頭で予約客がいなければすぐに出品した方がいい。1日1日価値が落ちていくので早急な対応が特に求められる。また株優が発行したての頃、有効期限いっぱいの時に求めるお客が多く、それ以降は需要が減るので買取についても期限が経つごとに極端に落ちていく。
マルトクチケット
芳村隆夫 事業部長
<プロフィール>
富岡開発㈱が運営する金券ショップ。6年前に㈱甲南チケットから東京4店舗を事業譲渡後、2015年3月に屋号変更を行う。現在FC含め9店舗(東京・静岡)。
415号(2017/05/10発行)15面