スマホ修理のiCrackedがこれから成長する3つの理由
2017年05月24日
スマホ修理、お客の目の前で
シリコンバレーから、スマホ修理のアイクラックトが日本に上陸したのは2015年末のこと。現在約20店を展開している。アイテックと呼ばれる技術者たちが修理にあたるスタイルで、注目を集めている。運営はアイクラックトジャパン(東京都豊島区)。
技術者兼エンターテイナー「アイテック」
アイスブルーが目をひくアイクラックトの店舗
1「アイテック」が対面修理
アイスブルーが爽やかなアイクラックトの店舗に入ると、迎えてくれるのが技術者兼エンターテイナーの「アイテック」だ。
お客が壊れた端末を見せると、修理ブースで診断し、対面で修理を行ってくれる。
スマホには所有者の重要な情報が詰まっているため、「お客の目の前」で作業を行う。
「動作確認のためにバックヤードに持っていく修理店もあるようですが、お客さんからすると怖いものです」(太田暁宏社長)。
前後の説明を含めると所要時間は1時間程度。その間、アイテックはただ修理をしているわけではない。修理箇所の説明や、スマホ関連の役立つ情報を伝えるなどしてコミュニケーションを取る。同社はこの接客コンセプトを「修理にエンターテイメントを」と、表現する。
お客の目の前で、アイテックが修理
2 厳しい品質管理
厳しい研修を受けて修理技術を磨いた者がアイテックになることができるが、一度合格しても気は抜けない。ユーザー評価が悪ければ、免許を返上し再び研修を受けることになる。アイテックのレベルを維持するために、継続的なメンテナンスを行うのだ。
また、アイテック同士の交流サイトがあり、修理、疑問、質問を互いにやりとりして日々技術力を上げている。検索すれば、過去の修理履歴を閲覧することができるため、新しい故障事例に出会った時も対応することができる。
「ここでのやり取りが、グローバルに新しい修理道具の開発にも使われています」
3 登録修理業者
アイクラックトは、総務省の「登録修理業者」の認定を取得している。
メーカーではない業者がスマホを修理すると電波法で定められた技術基準を満たさなくなる恐れがあるが、登録修理業者は、これを満たしていると認定された事業者だ。
同法は取得が義務付けられているものではなく検査にかかる費用が高額なため、4月初旬時点で18事業者しか取得していない。認定は端末ごとになされるが、アイクラックトは5Cから7と7プラス計9機種の登録も完了している。
スマホの修理は新しい産業のため、ファジーな部分が多いが、アイクラックトはグレーの領域があるなら「よりホワイトに、法令順守をしていく」という方針だ。そのための投資は惜しまないと言う。
「この方針に賛同してもらえて、パブリックカンパニーをはじめ5社とパートナー契約を結ぶことができました。登録修理業者の制度が大きな後押しになっています」
アイテックの修理ツール
415号(2017/05/10発行)24面