ゴルフ・ドゥ×ブランドオフ、"なぜ業務提携を結んだのか"を赤裸々告白
2017年06月21日
買取りの間口広げる必要がある
中古ゴルフ用品を扱うゴルフ・ドゥと、中古ブランドのブランドオフが4月11日、ゴルフ用品買取りに関する業務提携を発表した。ゴルフ・ドゥが査定ノウハウを貸与し、ブランドオフがクラブを買い取ってゴルフ・ドゥに全量買い取ってもらうと言う。2社の協業の経緯や、今後の展開を対談で明かしてもらった。
−−2社がゴルフクラブの買取りに関する業務提携をされた経緯を改めて教えてください。
安山 僕がラブコールを送りました。ゴルフ用品を持っている人は富裕層が多くて、ブランド品を持っている可能性が高いので、「ぜひ」と。ブランド品の買取りは色んな所としのぎを削っていて、間口を広げる必要がある。それで富裕層が持っているのは何だと考えた時に、洋酒とかワインとかゴルフだなと。
−−ゴルフを買取品目に入れれば、富裕層にリーチできる可能性が高まるわけですね。
安山 それとゴルフクラブは重くて買取りに出すのが面倒だろうから、自分たちがブランド品の出張買取りに行く時に一緒に入れたら喜ばれると思い、ゴルフ・ドゥさんに協業をお願いしました。
店舗展開に必要なモノを確保
−−ラブコールを受けて、どうでしたか。
伊東 即答ですよ。やりましょうよって。先日発表した新しい中期5ヵ年計画の中で触れましたが、我々は多店舗展開していくことで成長していく会社。その時の問題になるのが、ヒトとモノ。中古クラブをいかに確保するかということが、店舗展開において非常に重要です。ですから今回、我々もいいお話を頂いたなぁと思っています。
安山 やりましょう、と言ったら、すぐに快諾してくれましたよね。僕は性格的にとりあえずやってみようというタイプ。そのへんの気が合った。
伊東 軽く始めるのがいいんです(笑)。
1人集めるのに広告なら5千円
安山 このところうちはインバウンド中心の施策できたんだけど、今もう一度原点に戻って「中古の買取り」を強化しないといけないと言っています。
でも、リスティング広告とかだと1人集めるのに1000〜5000円かかるんです。宅配で1万円の商品が買い取れたとして、その広告費が5000円かかりましたというのはすごくコスト高。色んな所と提携し、広告に頼らないやり方をしないと。
−−ゴルフ・ドゥの他にも買取りに関する提携を?
安山 お酒に関してもある会社と提携していますし、中古釣具のタックルベリーさんとも話をしています。
−−ゴルフ・ドゥさんはどうですか。ブランドオフさん以外と買取りに関する提携は?
伊東 アコーディアさんと提携しています。全国に何百ヵ所とあるゴルフ場、練習場などでお客さんへのサービスの一環としてクラブの下取りをしてくれています。ブランドオフさんとの取組みも同様ですが、集まったゴルフクラブは全量当社が買い取っています。
勉強会を実施コンテストも計画
−−ブランドオフさんでクラブの買取を開始したのが、4月12日ですよね。今日は5月22日ですが、出足はどうですか。
安山 まだこれからといったところです。この間、ゴルフ・ドゥさんに講師をしてもらってマネージャーの勉強会をしてもらいました。店長、バイヤーと広げている所です。
−−どんな内容ですか。
伊東 半分がゴルフの歴史で、半分が査定の仕方。ゴルフ発祥の話や、クラブは14本持てますよとか。入口の知識を伝えさせていただいています。ゴルフをやっている人ってゴルフの話が好きなので、多少話が分からないと買取りを引き出せないので。
安山 ゴルフって何ぞやというのが分かることは大切ですよね。さらに、当社では買取のコンテストを計画しています。たくさんゴルフクラブを買い取った人には報奨金を出そうと。
−−ちなみに、逆はどうなんですか。ゴルフ・ドゥさんでブランド品を買い取ってブランドオフさんに売却するというのは。
安山 それを今から口説こうと思っています。うちは、40万人くらい会員がいるんです。今後顧客の共有化ということができたらいいなと。
伊東 ブランド品をうちで買うっていうのは難しいと思うけど、バナーを貼って相互送客という所からだとはじめやすいかもしれません。当社もそれこそ会員が30万人近くいますので。加盟店にプラスワンできるような仕組みができるといいな。
ゴルフが落ちても中古カテは伸びる
−−ところで、ゴルフ市場は今どうですか
ゴルフ・ドゥ 伊東龍也社長
1956年生まれ。埼玉県出身。出身校は立教大学。平成11年にボックスグループの新規事業としてゴルフ・ドゥ1号店をさいたま市にオープン。翌年に株式会社ゴルフ・ドゥを設立し、ボックスグループよりFC事業と直営店にかかる営業を譲り受ける。平成18年に名証セントレックス上場。同社の平成29年3月期の売上高は約50億円、店舗数はFC含め75店(平成28年9月30日現在)
ブランドオフ 安山勉社長
1962年生まれ。石川県加賀市出身。やきとり店のFC「秋吉」経営後、会社員を経て1993年に新品ブランドとアパレル販売のメルシーを創業。バブル崩壊に伴い、新品販売から中古品を主体としたブランドオフに展開をシフト。現在は、国内外に54店を展開。年間流通額150億円の業者間オークションも運営する。2016年度の会社売上高は約204億円。
417号(2017/06/10発行)11面