《ブランド市場バイヤーに学べ45》続・アフターダイヤ加工にご注意

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《ブランド市場バイヤーに学べ45》続・アフターダイヤ加工にご注意

2018年06月07日

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第45回 続・アフターダイヤ加工にご注意

今回は、前回お伝えしたロレックスのアフターダイヤ加工品に関する話の続きです。

ここ最近、ロレックスのアフターダイヤ加工品を扱っている古物市場に対し、メーカーから〝当該商材を取り扱わないように〟との通告があり、古物業界をにぎわせています。今後、アフターダイヤ加工品を取り扱うことが難しくなると予想されるため、古物市場への出品や自社での買取りには注意を払うことが必要になりそう、ということに前回触れました。

この状況を受けて、私どもが主催するRKグローバルオークションも参加している「オークション連絡協議会」でも対応について話し合いが行われました。

オークション連絡協議会は、ブランド古物市場6社の代表や幹部社員が集まり、市場運営について情報交換や議論を交わす会議体です。

協議の結果、今後しばらくは古物市場でロレックスのアフターダイヤ加工品を取り扱わないこととなりました。協議会の参加各社は、自社市場の運営規約にも当該方針を盛り込んでいくことになるでしょう。

なお、RKグローバルオークションでも規約改定はこれからですが、すでにアフターダイヤ加工品を取り扱わない旨を定め、会員様に連絡しています。

在庫やWebショップ掲載は早めに対応を

なお、メーカーからのチェックは古物市場だけでなく、すでに小売店に対しても及んでいるようです。

Webショップにアフターダイヤ加工品を掲載していた店舗に通告書が送られてきたとの話もあり、Eコマースにもパトロールが広がっていく可能性があります。こうした背景から、各社とも自店舗から該当する商材を引き揚げつつあるようです。

「メーカーから通告が来ない間は大丈夫」とタカをくくらずに、心当たりがある方は自社の在庫やWebショップへの掲載状況を見直されることをおすすめします。

前回お伝えしたように、アフターダイヤ加工品を取り扱っていた古物市場や販売していた店舗に対してメーカーから追及があった場合、その仕入れ先にまで迷惑をかけてしまう可能性があります。

各所で話を聞くに、メーカーからの通告はまだ「警告段階」のようで、その後の連絡はないようです。ただし、今後さらなる通告がくることも考えられますから、早め早めに対応しておいた方が良いに越したことはありません。

今後、少なくとも国内ではロレックスのアフターダイヤ加工品を取り扱うことはできなくなるでしょう。アメリカのデパートでもほとんど見かけなくなったことから、海外にも段々と波及していくかもしれません。

万が一アフターダイヤ加工品を扱うなら、「売れなくなる」リスクを十分に考慮した上で検討しないと、在庫を抱え込んでしまうことになりかねませんから注意が必要です。


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齋藤 清(さいとう きよし)
株式会社アールケイエンタープライズ・執行役員 兼 オークション事業本部 本部長 グローバルトレードと共催する「RKグローバルオークション」のオークショニアを務めるとともに、日本国内はもとより海外でも買い付けを行う敏腕バイヤー。ブランド品リユース業界歴は20年余り。ゴルフとお酒を愛する憎めない人柄で、業界関係者との人脈も深い。

第440号(2018/05/25発行)17面

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