A-DOSがリユース業界大転換期経営戦略セミナーを開催し、実店舗型の差別化について伝える
2018年07月02日
A-DOS
リユース経営戦略セミナー
業界に参入するフリマアプリや買取アプリ、シェアリングエコノミーなど新たなビジネスモデルの時流を分析。
アプリやネットを利活用して消費者が自分で査定をする時代で買取りのコモディティ化を予測し、実店舗型の差別化の1つに販売力の強化を位置づけた。
▲初主催のセミナーで「満員になって嬉しい」(福本代表)
ITで激化する買取競争 差別化の鍵は「どう売るか」
第一部では福本晃代表が登壇。
バンクの「キャッシュ」やメルカリの「メルカリナウ」などに代表される査定・買取りアプリが普及すると、これまでリサイクル店の専門業務だった「査定業務+買取り」がアプリ上である程度解決できる時代になると予測。
アプリの更なる高精度化が進むとネット上で買取価格が標準化され、アプリ・買取店・出張・宅配どこで売っても買取価格が近しくなる可能性もあるとした。
差別化の方法の一つとして、販売力の強化を挙げた。
ものばんくが富裕層にターゲットを絞ることで、売上を改善した事例を示した。
配布していたパンフレットをシックな印象に変え、買取査定書を「財産査定見積書」とネーミングを変えて賞状のような見た目にすることで訴求したのだと言う。
再販価値で変わる消費者行動
また、フリマアプリやシェアサービスが台頭してくることを見越し、今後はよりリセールバリューの高い商品を見定めていく必要があると喚起した。
福本代表はこれからの消費者行動について、リセールバリューの高い商品は再販価格が安定するため所有されるが、低い商品はシェアやレンタルで賄うようになると予測している。
レンタルや中古ビジネスの歴史が長い中古車業界の例を挙げ、「ハイエースなど、リセールバリューの高い商品をいかに見つけて取り扱えるようにするかが重要」と話した。
第二部で登壇した佐藤秀平シニアコンサルタントは、店舗へ足を運ばせ、信頼と共感を得たブランディングをするには「圧倒的な差別化」が必要だとし、販売イベントで新品メーカー7社の出店を集めた電動工具リユースのアクトを例に挙げた。
他、販促DMの事例やGmail広告による顧客へのアプローチなど実用的な手法も紹介。
佐藤氏は福本代表の船井総研時代の後輩にあたる。
現在はWEB制作を行う別会社の代表を務め、リユース業専門のPOSシステムを制作している。
4月27日に買取アプリ「そっきん」を発表したマクサス(東京都品川区)をクライアントに持つと言う。
「自分は何屋か?」考えるきっかけに
第三部では一部と二部で話したリユース業界の5つの方向性をまとめた後、福本代表は「何の為にその事業をやっているのか」と参加者に問いかけた。
ネット社会であらゆる情報が行き来し、サービスのコモディティ化が進む中、AIやIoTによる効率化とは逆に人間にしかできない部分に焦点を当てるべきだと語る。
「ライザップが単なるダイエット屋ではなく自己変革に焦点を当てたように、問題解決とか自己実現とか、お客の何のお手伝いをしているのかを見つめ直すきっかけにしてほしい」と福本代表は締めくくった。
第442号(2018/06/25発行)7面