《全国ダーツの旅☆東京都》次の段階へ進んだ中華料理人
2018年11月23日
リサイクル通信 全国ダーツの旅
~東京都 編~
ダーツの矢がささったエリアのリサイクルショップに取材するコーナー
メニューブック後進に渡し
次の段階へ進んだ中華料理人
悠久堂書店(東京都千代田区)は1915(大正4)年に神保町で創業され、現在は三代目、四代目の2人で店を運営している。美術展のカタログ、料理本、ビジネス書、山岳書、動植物に強みがある。なかでも「日本中でウチが一番揃っている」と三代目の諏訪雅夫社長が自負するのが、料理本だ。
古今東西のあらゆる分野・地域に関する本があり、ワイン関連だけで2棚もあるほどの充実ぶりだ。20年ほど前、同店に中華料理のプロの料理人が来店した。40代後半と思しき男性で、本と一緒に中国の店のメニューブックを買い取ってもらいたいという。
そのメニューブックは、料理人が若い頃、中国大陸の中華料理店を100軒以上まわり、自腹で食べたり、店の手伝いをしたりしながら集めたものだった。「もうわかったから、必要な人に橋渡しして欲しい」と言う。船旅のメニューを買い取ることはあったが、そのような依頼は初め てだったので、諏訪社長は驚いた。
「幸い思い当たる人が一人いて、喜んで買ってくれました。プロの料理人の中には、大変な苦労をして集めた本や資料でも、自分のものにしたからと売る人がいるんですよ。次の段階に進むため、過去をを清算する必要があるのかもしれません」(諏訪社長)
▲諏訪雅夫社長
第451号(2018/11/10発行)17面