「海外の2次流通」Vol.18、ecoBirdy(エコバーディー)、プラスチック廃棄物から作られたユニークなデザイン家具

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「海外の2次流通」Vol.18、ecoBirdy(エコバーディー)、プラスチック廃棄物から作られたユニークなデザイン家具

2019年01月02日

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プラスチック廃棄物から100%作られた
子どものためのユニークなデザイン家具

ecoBirdy(エコバーディー)

ecobirdy.jpg

▲デザイン家具はネットから購入できる。チャーリーの椅子(左下)€159.00、ルイーザのテーブル(右下)€268.00、キーウィの物いれ(左上)€320.00、サイのランプ(右上)€120.00

EUプログラムの出資受け
デザイナー2人が設立

ヨーロッパのおもちゃは質の良い木製のイメージがあるが、その多くはプラスチックでできている。ベルギーでは人気のおもちゃトップ5に入る子供用バイク、ブロック、おままごとキッチンの90%はプラスチック製だ。しかも子どもの成長は早いので、平均6ヵ月ほどしか使用されていない。いらなくなったおもちゃの80%は焼却場で処分されるか、海に廃棄されているのが現状だ。

プラスチックは自然に分解されないため、長期にわたって生物や環境に悪影響を及ぼし続ける。そのため、世界中で早急に解決すべき重要課題となっている。ベルギーのアントワープに拠点をおくecoBirdy(エコバーディ)は、壊れたり古くなったりしたプラスチックのおもちゃを回収して子ども向けの家具にアップサイクル(付加価値を加えて作り変えること)して販売する新興企業だ。

EU(欧州連合)のCOSMEという中小企業のスタートアップを支援するプログラムの出資を受け、ファッション業界で経験を積んだデザイナー 、Vanessa YuanとJoris Vanbrielによって2018年1月に設立された。

絵本の開発やプログラム提供
おもちゃの回収も実施

Yuan氏とVanbriel氏はプラスチック玩具を持続的にリサイクルする方法を探るべく、2年を費やして徹底的に調査・研究を行った。その結果、ecoBirdyの家具はリサイクルされたプラスチック廃棄物で100%作られており、再び簡単にリサイクルすることができる。

商品はカラフルで軽い椅子やテーブルのほか、絶滅の危機に瀕しているサイのランプやニュージーランドの国鳥キーウィの入れ物といった動物をモチーフのものがある。これらの商品には人間のみならず、全ての動物の命を育む地球環境を守りたいという2人の強いメッセージが込められている。家具は全て共同創業者たちがデザインしている。製品は素材に顔料や樹脂を加えることはなく、すべての製作過程において有害な化学物質を使用していない。

環境に優しいだけでなく、親が安心して子どもにたくさん使わせることができる配慮が施されている。同社は家具の設計・製造販売のほか、子ども向けにプラスチック廃棄に関する絵本の開発やそれを使った学校へのプログラムの提供、さらに学校でおもちゃのごみ回収も行っている。子どもたちの問題意識を高め、より持続可能な未来に貢献するよう行動を促しているのだ。

第454号(2018/12/25発行)12面

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