《全国ダーツの旅☆東京都》遊遊市場、輸出販路のきっかけつくったフィリピン人の「もったいない!」
2019年01月24日
リサイクル通信 全国ダーツの旅
~東京都 編~
ダーツの矢がささったエリアのリサイクルショップに取材するコーナー
輸出販路のきっかけつくった
フィリピン人の「もったいない!」
「これ捨てちゃうのもったいない!」。遊遊市場 綾瀬本店の栃原正憲店長が売れ残りの家具を廃棄しようとした時、フィリピン人のお客が言った。では到底再販できない状態の家具だったが。その眼差しは真剣そのものだ。栃原店長は罪悪感におそわれた。「私自身、新しい家具に粗大ごみシールが貼られて雨ざらしになっているのを見ると心が痛むのですが、それと同じことをあのお客様は感じられたのかもしれません」。2年前の出来事だった。
カモミール(東京都足立区)が運営する遊遊市場 綾瀬本店では、日本に住む外国人のお客が全体の2~3割を占める。その数は年々増えており、「もう外国人なしの商売は考えられない」ほどだという。彼らは中古品に抵抗がなく、一般的に日本人が敬遠する中古のベッドマットや布団も人気がある。同社は国内で再販できないものでも海外では必要としている人がいると気づき、リサイクル通信の情報や調査をもとに、2018年夏にフィリピンへ中古家具、中古食器の輸出をスタートした。それ以降、毎月再販出来なかった商品を幅広く輸出している。「あの『もったいない!』という言葉が、僕に海外へ目を向けさせてくれたのです。中古って面白いと気づかせてくれた大切なお客様です」(栃原店長)
第455号(2019/1/10発行)21面