《ブランド市場バイヤーに学べ53》古物市場の相場をつくる要素

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《ブランド市場バイヤーに学べ53》古物市場の相場をつくる要素

2019年02月05日

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第53回 古物市場の相場をつくる要素

新年あけましておめでとうございます。平成も残すところ4ヶ月を切りましたが、このコラムでは元号をまたいで引き続き様々な情報を発信していきますので、本年もどうぞよろしくお願いします。

さて、新年一回目ということで、今回はこれまでのコラムで当たり前のように触れてきた「相場」、中でも"ブランド古物市場の相場"がどのように作られていくかについてお話したいと思います。

そもそも、ブランド古物相場を形成する要素にはどのようなものがあるでしょうか。一番分かりやすいのは、メーカー価格です。アンティーク等を除いて、基本的に古物相場はメーカー価格に対する掛け率がベースとなるため、価格の改定などがあれば相場にも影響してきます。

「為替」と「開催日」と「参加バイヤー」、影響する三要素

さらに古物市場の相場に大きく影響してくる三つの要素が「為替」と「市場の開催日」、そして「参加バイヤーの顔ぶれ」です。「為替」についてはもっとも分かりやすいかと思います。

細かい説明は割愛しますが、輸入品であるブランド品は 、円相場が外国為替に対して円高になれば価格が下がり、円安になれば価格が上がります。直近でいえば、昨年の夏頃から年末にかけてはそれが顕著で、
円安を背景に古物相場は上昇トレンドが続いていました。ところが、年末にかけて円高に振れ始めると相場は一転して下降傾向となり 、そのまま年始にもたれかかる格好となりました。米国と中国の貿易摩擦や、トランプ大統領のメキシコの壁発言に端を発する為替変動が要因ですが、年始の古物相場にも影響を与えそうです。

次に相場を形作る要素が「市場の開催日」です。主だった古物市場は毎月開催しているところが多く。ひと月の間に様々な市場が一日~数日刻みで開催されることが珍しくありません。そこで重要になってくるのが、為替変動など相場に影響を与えそうなことがあった直後の古物市場。"相場の試金石"として注目を集めることが多々あるからです。その市場での相場が上がった、あるいは下がった場合、それ以降に開催される市場の相場もそれに追従するケースが多いのです。自分が参加する市場でなくとも、直前に開催された市場の相場を知っておくことが大切なのはそのためです。


最後に「参加バイヤーの顔ぶれ」が相場に与える影響について。いわずもがな、トップバイヤーと呼ばれるような強い買い手が揃う市場では、相場はやはり高くなる傾向にあります。それに加えて、参加各社の状況を知ることも重要です。決算月の直前なら買い控える可能性がありますし 、事業拡大中であれば在庫強化のため仕入れを強めることも考えられます。先に述べた2つの要素とこれらの情報を掛け合わせれば、自分が参加する古物市場の相場トレンドが予測しやすくなります。


なお、その他の要素としては市場の会主が積極的に買い支えてくれるかどうかも重要だったりします。その点では、私どもが運営するRKグローバルオークションは全力で買い支えますから、どうぞご安心くださいね!


齋藤 清<Profile>
齋藤 清(さいとう きよし)
株式会社アールケイエンタープライズ・執行役員 兼 オークション事業本部 本部長 グローバルトレードと共催する「RKグローバルオークション」のオークショニアを務めるとともに、日本国内はもとより海外でも買い付けを行う敏腕バイヤー。ブランド品リユース業界歴は20年余り。ゴルフとお酒を愛する憎めない人柄で、業界関係者との人脈も深い。

第456号(2019/01/25発行)15面

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