ミュンヘン発エコな高級スニーカーのパイオニア
2WAYなど革新的なデザインで世界から注目浴びる
nat-2™(ナットツー)
コーヒーラインのスニーカー。表面の50%以上にリサイクルコーヒー豆などが使われている
皮革や合成繊維が常識の高級靴分野に
自然素材やリサイクル資材を使用
ドイツ・ミュンヘン発のシューズブランド「nat-2™(ナットツー)」はエコ素材を使った高級スニーカーのパイオニアだ。その素材は持続可能と認定された木材 、本物の石や干し草、天然ゴム、芝生、そしてトウモロコシ、コーヒー、ペットボトル、ガラス、ワインのコルク、パイナップル繊維などのリサイクル資材だ。毛皮、皮革、合成繊維などの素材を使用するのが常識の高級靴の分野において、このような代替素材や技術を開発したことは画期的と言えるだろう。
nat-2™スニーカーのエコへのこだわりは徹底している。例えば、コーヒーラインと呼ばれる商品は、ソール以外の部分の表面の最大50%までにリサイクルしたコーヒーかす、コーヒー豆、コーヒーの木を使っておる。ソール部分も天然素材にこだわり、インソールには抗菌性の天然コルク、アウトソールには天然ゴムを採用。甲のスエード (なめし皮)に見える部分はリサイクルしたペットボトルを使用している。そこまでエコにこだわりながら 、デザイン性も高く、深い独特の色合いは高級感にあふれている 。実際、価格の方も390ユーロ、日本円にして約5万円だから 、スニーカーとしてはかなり高額だ。
創業者は歴史ある靴メーカーの6代目
革新的な商品開発で世界の市場開拓
nat-2™は革新的な商品開発でも世界から注目を集めている。例えば、旅行に行くときに荷物を減らせて便利な4WAYスニ ーカーや2WAYスニーカー。4WAYは付属のアイテムを取りかえれば、4段階に高さを変えながら1足で様々なスタイルを楽しめる。2WAYはキャンバス製で、暑い時はかかとの部分のジッパーを開ければサンダルとして履ける2in1シューズだ。キャンバスの部分は簡単に折りたためるため、そのままバッグに収納して持ち歩くことができる。
nat-2™の創設者でデザイナーでもあるSebastian Thies(セバスチャン・ティーズ)氏は1856年から続くヨーロッパで最も古い靴メーカーの6代目だ。90年代初頭のグラフィティ、ストリートおよびボードスポーツ文化や80年代の革新的なテクノロ ジーに触発され、数年かけて世界初の2in1シューズを開発し、数々の国際的な賞を受賞した。nat-2™はドイツで最もクリエイティブな30社のうちの1社であると連邦政府と商務省によって認められ、ミュンヘンにcoilexという名前の旗艦店を運営するほか、世界30カ国以上に商品を提供している。
第462号(2019/04/25発行)17面