【真贋術】アプレ、中小企業等にブランド真贋提供 割安価格でフリマ出品等支援
2019年06月17日
中小企業等を対象にブランド品の真贋判定を行うのが、中古品のオークション等を行うアプレ(東京都台東区)。昨年開設した中古品の研究施設TOKYO APRE LABORATORYによる「TALグレーディングレポート」で、ブランド品鑑定の指針作りに注力する。
中小企業等にブランド真贋提供 割安価格でフリマ出品等支援
同サービスは、アプレが培ってきた真贋判定技術と科学的な検査を駆使してブランド品を鑑定し、正規品と判定したものに対し鑑定書を発行するもの。第三者機関として中立に鑑定し、模造品の流通抑止、適正取引の促進による中古業界活性化を目指す。
「当社がリユース品取引の補助的役割として何が出来るかを考え、取り組みを推進しています」(竹林雅夫所長)
▲「デジタル顕微鏡では革の毛穴まで検証できます」(竹林雅夫所長)
中古取扱業者が自社の鑑定基準を作るためには、コストや時間がかかる。「中古品売買を手掛ける中小企業は、顧客からの認知度が低いのでフリマアプリに出品しても真贋証明が難しく、取引までに時間がかかる場合も多いです」(同所長)一方で、フリマアプリは偽物が出回る危険性があるため、鑑定書は真贋を証明する大きなメリットとなる。
「TALグレーディングレポート」は、同社が提供する「リユースバイヤー検定」等の資格保持者が2人体制で行う。鑑定は、同研究所内にある3つの鑑定室「T」、「A」、「L」で実施。「T」ではエックス線検査によって、依頼品の金具やステンレスの成分値を検出。「A」では、2000倍まで拡大できるデジタル顕微鏡を設置し、革の毛穴といった細部まで検証する。また、顕微鏡は依頼品の3D画像を作れるため、平面だけでは分からない深部の構造も把握することができる。「L」では20倍の顕微鏡や時計の日差を測定する機械を設置。時計の内部の解析などを行う。
鑑定書では、総合評価を990点満点で採点。その下には「Mint」「Excellent」「Good」といった外観判定、詳細な状態、補足事項も記載される。
鑑定申し込みは、同社HP、楽天通販サイトなどから受付ける。レポートは通常10営業日以内に発行されるが、依頼品を研究所に持ち込む場合は即日発行も可能。料金はレポート1枚に対し5000円だが、現在開催される法人向けキャンペーン時は1枚3000円。
第465号(2019/06/10発行)8面