再来、自転車修理の担い手養成 放置車両を教材に
2019年09月18日
中古自転車の販売を手掛ける再来(読み:さいくる・東京都八王子市)が、修理の担い手を養成する事業に乗り出す。来年をめどに開講する考え。同店では個人から引き取った不要車両や、集合住宅から引き上げた放置車両を修理し再販している。養成事業の教材に放置車両を活用する。
再来の藤井清代表が同店を立ち上げ、約40年になる。
同店は、「安価の中古自転車の需要が高まり始めた、バブル崩壊後」(同代表)を潮目に、中古事業へ一本化した。以降は新品仕入れを止め、個人からの下取りや無料引き取りのほか、関東各所の自治体に直談判し、放置された不要自転車の入札にこぎつけ、商材調達を図ってきた。近年では集合住宅の管理会社等に営業をかけ、かつての居住者が残置した自転車の引き上げも積極的に行っている。
修理の担い手養成については、「自転車のデザインや修理について学んでいる、現役の専門学生から実技を学びたいと相談を受けた」(同代表)ことがきっかけとなった。
「学校現場では座学が主体だったり、修理を学ぶにも教材として用意されるのが新品車両だったりすると聞きます」(同代表)。再来での養成では、実際に故障や錆びのある放置自転車を使って実技指導を展開することで、受講者のスキルアップを保証する狙い。
第471号(2019/09/10発行)8面