古道具ROJI、移住相談のる古物店
2019年12月07日
リユースが地方を変える ~神奈川県三浦市~
神奈川県三浦市。県内の市で唯一「消滅可能性都市」と言われ人口流出が続く。しかし三浦を愛し三浦を楽しむ移住者によるリユース店があった。人口減に負けない、これからのリユースショップの姿を示す店を紹介する。
穏やかな潮風の吹く三浦市
移住相談のる古物店
三崎の良さ伝える
古道具ROJI(神奈川県三浦市)は、中古雑貨の買取販売と三崎への移住相談を行っている。
安原芳宣店長
約10年前に東京から移住した安原芳宣店長がROJIを開業したのは13年2月。昭和以前の家具や雑貨を取り扱い、錆びた鉄や古木の雰囲気を重視。大正時代の収納棚を指差して、「ガラスが抜けてるけど、現代のを入れると台無しになっちゃうからそのままにしている」と安原氏は話す。売値は東京の半値ほど。都心部の業者が買付に来ることもあるという。
【ROJI】大正時代の棚。価格は3万円程
そんなROJIは、店頭に「移住相談所」の張り紙を設置、少なくとも8組の移住相談を行った。移住や観光をサポートする会社も立ち上げ、空き家の融通を行うほか、ゴミ捨ての方法を伝えるなど生活支援も行う。移住者が相談所に置かれた古道具を気に入り、買いに来ることもある。
それでも安原氏は、「おすすめの飲食店を友人に紹介するような感覚で三崎の話をしていたら、みんなが移住してきただけ」と飾らない。その人柄が人を惹きつけるのかもしれない。
第476号(2019/11/25発行)17面