リユース内定者座談会、若者がこの業界に飛び込む理由とは
2020年01月04日
リユース内定者座談会
~若者がこの業界に飛び込む理由とは~
キーワードは「経営」「接客」
就職活動を経てリユース企業に就職する新卒社員。幾多もある業種や職業の中から、なぜこの業界や企業を選択したのだろうか?そこで、大手リユース企業から内定を受けた大学4年生の3名を招き座談会を開催。それぞれの就活事情や選択した理由、リユース業界の将来性などについて聞いた。
――簡単に、自己紹介をお願いします。
佐藤 初めまして。ブックオフ内定者の、桜美林大学リベラルアーツ学群、佐藤鈴端と言います。
池端 城西大学経営学部マネジメント総合学科の池端真生と申します。ゲオに内定を頂いています。
生田 SOUに内定を頂いている上智大学文学部国文学科の生田茉奈美です。どうぞよろしくお願いいたします。
逆オファーで心奪ったSOU
ブックオフは20代で経営学べる
――今日は皆さんに、なぜリユース業界を選んだのか聞きたいです。就活を始めるときは、どういう軸で活動しようと考えていましたか?
佐藤 僕は人と深く関わりたいなとか、経営にすごい興味があったので、そういう働き方ができたらいいなと。あと僕自身、漫画が大好きなので(笑)
――ブックオフさんとの出会いは。
佐藤 マイナビのサイトからです。最初は本と言ったらブックオフと紀伊國屋しか頭になかったので、その2つにエントリーしました。あと個人的には、就活の中でグループディスカッションを多く受けたんですよ。
――グルディスですね。
佐藤 その対策イベントに行ったんです。グルディスをみっちりやる様子を企業の採用担当者が見てくれていて「この子いいな」って人に直接逆オファーをしてくれる。そこから企業のパイプを見つけたりしました。
――SOU内定者の生田さんは、早く内定をもらえたようですね。
生田 今年の3月末に内々定をいただきました。始まりは、今年の2月に「OfferBox」で人事の方にご連絡を頂き、そこの座談会で心奪われて。もう絶対ここに入社するっていうのを決め、他は一切選考を受けずに。
――SOUだけですか。
生田 そうですね。日本文化を世界に伝えることが将来の夢で、SOUの思いをつなぐという部分に魅力を感じました。あと社員さんたちとお話した時も、人柄の良さがにじみ出ていて、ビックリしました。
――ゲオ内定者の池端さんは何を軸に?
池端 自分は直感で選ぶタイプなので、違うってなったら外して、残った部分を軸に。2月頃から情報収集を始めて7月頃に就活を終えました。今のゲオホールディングスの会社の在り方に魅力を感じていて、例え子会社の実績が駄目でも、全体で支える姿勢が良いなと思いました。
――佐藤さんはいつごろ就活終わりました?
佐藤 つい最近なんですけど、終わったの、2週間前です(笑)。3月から11月までやっていました。
――内定、最近もらったんですか?
佐藤 いえ、内々定は5月に(笑)。偉そうな言い方ですけど、卒業まで9ヵ月、就活生の今だからこそ、いろんな企業を見れるチャンスなのかなと思って。春の段階で内々定を保留させてもらって、そこから半年就活を続けました。
――でも結局、ブックオフが一番でした?
佐藤 将来なりたい社会人像が、AIより価値のある人材になるということなんです。今のAIにできないことが、経営と、創造性。あとは接客、おもてなし。経営以外は他の職種も学べると思うんですけど、20代前半から経営を学べる仕事は中々ないと思ったので、入社を決意いたしました。
――ところで、みなさんはインターンに行きました?
生田 はい、「@人事」ってご存じですか。インターンシップガイドに登録して、一番最初にお声がけいただいたところに入ると決めていました。すぐに人材ベンチャーさんからご連絡いただき、ぜひ営業部で一緒に働かせてくださいとお願いしました。
――大変だったでしょう。
生田 本当に大変でした。やっぱりベンチャー企業ならではということもあって、本当に毎日勉強でした。業務フローもなかったので、結局私がつくったものもありました。テレアポの対応とかも、ものすごい量を作っていたなって、ひしひしと思い出します。
佐藤 僕も同じく営業課志望ではあったので、インターンを3日間やって、営業同行とか、テレアポとかを経験しました。仕事に対するイメージって、学生ということを言い訳にしちゃうとダサいですけど、あやふやで。だからこそインターンをやったのはすごい大きかったなと思っていて、選考だけじゃ分からない仕事の裏側をたくさん知ることができました。
池端 自分はインターンは行かなかったんですが、グルディスだったり、合同面接の場を提供するイベントによく参加してましたね。現場に会社の人がいて、本当にそこから選考が始まってたということもありました。
――そんなことあるんですか!(笑)
池端 最初「練習です」っていう名義で届いたのに、めっちゃ嘘じゃんと思って(笑)
ゲオで人材育成に挑戦
「それができれば何でもできる」
――池端さんはゲオとはどこで出会ったんですか。
池端 マイナビの合同説明会です。自分の家の近くにゲオがあって、よく利用していましたが、そのときは小売りって、あんまり良くないイメージが勝手に付いてました。
――でも、掘り下げていくと、イメージとどう違いました?
池端 最初は、アルバイトとやってること一緒なんじゃないかと。でも実際は店舗管理だったり、人の育成、アルバイトの育成だったりと、小売りってすごいのかなって思いました。
――お店づくりとか店員さんの育成に、チャレンジしたかったんですね。
池端 そうですね。それができれば、本当にどこに行っても何でもできるなと思ったので。ちゃんと最初に努力すれば、その後はもう努力しなくてもいいっていうわけじゃないですけど、安定的に働けるのかなというふうに思うので。ずっと下じゃなくて、上に行きたいっていうふうに思ってます。
――ところで、リユースの他に迷った業界ってありました?
佐藤 僕は3月から6月ぐらいまではいろんな企業さんを受けていました。ただ、業界もすごくあやふやで。不動産も受けたし商社も受けたし。全然リユース関係ないですね(笑)。
池端 自分は最初この職種だとモテそうだなみたいな、旅行会社だったり商社だったり。でも違うなと思って、次にIT見てたんですけど、ITだと人に使われるばかりだと気付いて、経営側に回りたいと思いました。店舗や売り場を見て、売り手と買い手両方がウィンウィンな関係を築ける仕事はリユース系かなと思ったんです。リユースだと、仕入れがお客さん、売り上げもお客さんで、うまいこと日本経済を回しているところにすごく魅力を感じますね。
生田 私はホテル業界か人材業界で迷っていました。海外文化も好きなので、ホテル業界を志望して、実際にホテルで働いたんですが、あまりの激務に耐えられなかったんです(笑)SOUと出会って、名前自体は知ってはいたんですけど、調べるとリユースって人の思い出につなげる役割があるというのが、すごい素敵だなって。
CtoCが信頼できないから店舗のお客は増える
――リユース業界の将来について、どう考えていますか?
池端 時代の流れで、リユースって今後一旦落ちると思うんですね。
――いったん落ちる。
池端 はい。高度経済成長期からこれまでで物があふれる状態になって、今CtoCのメルカリさんとかで落ち着いてきているので。今後は、また盛り上がる時に備えての信頼がとても大切なのかなと。
佐藤 僕は逆に下がるどころか上がっていくんじゃないかなって。普通だったらメルカリがあるから店舗には行かないって発想になりがちだと思うんですけど、逆にメルカリでCtoCが信頼できないから店舗に来て買い物してくださるお客様が確実に増えているっていう記事を読んだことがあるんです。おもてなし精神の価値が光る時代になるんじゃないかなと思います
――なるほど。
生田 今は価値がないけど、これからリユース商材になるものも生まれてくるかもしれないと思ってます。商材のカテゴリーが増えていくことで、リユースできるものも増えていきますし、リユースの会社をブランディング化して、個人がリユースの可否を相場も含めて店舗に相談に行く文化も広げていけたら、ドンドン成長していくのかなと。
――その中で頑張りたいことってありますか。
生田 上智大学は結構堅実な方が多いのですが、私は若いときから実務経験を積めるところでずっと成長し続けていたいです。SOUは上場されてはいるんですけど、成長意欲の強い方がすごい多いなっていうふうにお見受けしたので、自分も見習って成長していきたいなと思っています。
佐藤 周りから「小売業界?」「本当にそこでいいの?」みたいに、すごい心配みたいな感じはされていて。なので、業界全体のイメージを、懐疑的な考えから好意的なものに変えていければ一番いいのかなと思ってます。メルカリを利用する人が増えていく中で、店舗にわざわざ足を運んでくださるお客様のことを考える、いいきっかけとなるんじゃないかなと思ってます。
池端 ベンチャー企業だと、早稲田だったり、東大だったり賢い人ばかり採ってて。そうじゃなくて、いろんな学歴の人を採ってる会社って、育成ってすごいなと思っています。そういう会社で、育成や経営をしっかりやっていきたいです。
――分かりました。力を合わせて、リユース業界、発展させていければ。ありがとうございました。
周りは安定志向だが自身は成長したいと話す
経済学部の学びを活かし人材育成に挑む予定
ブックオフは1年目から部下を20人抱える可能性もあるという
内定先企業の概要
社 名 株式会社ゲオホールディングス
創 業 1989年
代 表 遠藤 結蔵
事業内容 「ゲオ」「セカンドストリート」「ジャンブルストア」、総合アミューズメント店舗、宅配レンタルの運営
店 舗 数 1899店
社 名 ブックオフグループホールディングス株式会社
創 業 1991年(ブックオフコーポレーション)
代 表 堀内 康隆
事業内容 書籍・パッケージメディア、アパレル等の総合リユース事業の運営
店 舗 数 全807店 うち直営404店
社 名 株式会社SOU
創 業 2011年
代 表 嵜本 晋輔
事業内容 ブランド品・貴金属・骨董品等の買取及び販売
店 舗 数 70店
第478号(2019/12/25発行)12,13面