5年間の「俺に学べ!!」を振り返って
2020年01月07日
ブランド市場バイヤーに学べ64
5年間の「俺に学べ!!」を振り返って
激変の古物界、本コラムも新スタイルへ
今年も数えるところあとわずかで、令和最初の年が終わろうとしています。早いものでこの連載コラムも64回目を迎えて、実に5年以上にわたって連載し続けることができました。これもひとえに読者の皆さんのおかげです。
本コラムでは、これまで「ブランド古物市場」にまつわる幅広い話題を取り扱ってきました。リサイクル通信を購読されている人は初心者からベテランまで様々な上に、紙面にはブランド古物以外にも、家電や家具、ホビーやアパレルなど多彩なジャンルの古物に関するトピックが掲載されています。
そうした前提を踏まえて、すでにブランド古物業界で仕事をしている人はもちろん、これから業界に飛び込もうと思っている人や、別の古物業界で働く人にも興味を持って読んでもらえるような内容にできればと心がけていました。
これまでに、古物市場に参加するまでの流れから、下見の重要性や大会本番での振る舞い、古物市場での人脈作りの大切さ、発生する諸々の経費といった事柄を扱っています。また、買い時と売り時の見分け方や、高く売るための出品の工夫といったテクニック的な要素に加えて、為替や業界の時事ネタを扱った相場にまつわるトレンド情報なども時折触れてまいりました。
冒頭に述べたとおり、こうして連載を続けてこられたのは読者の皆様、そして毎月紙面を割いてくださったリサイクル通信さんのおかげです。この場で、あらためて御礼申し上げます。なお、これらの内容は、紙面はもちろん、リサイクル通信Webサイトのバックナンバーにも掲載されていますので、もしご興味があれば見てみてください。
さて、コラム連載開始当初から今日までの5年間、ブランド古物業界はめまぐるしく変化してきました。全国に古物市場が急増したほか、メルカリ等のCtoCサービスが急速に拡大したことで、モノの動きが以前とは比べものにならないくらい早くなっています。特に、古物相場に関しては国内だけでなく、海外の市場動向による振れ幅が大きく、相場感を堪えず養っていく必要性が高まっています。
これまで本コラムでは「古物市場とは」という大きなテーマで、仕組みや相場のトレンドの大枠=いわば概論について触れてきました。こうした概論的な内容については一定程度お伝えできたかと思いますので、今後は「相場」にフォーカスして、より具体的なケースをお伝えしていきたいと考えています。例えば、実際に古物市場で落札された具体的な商材を数点例示して、その落札額の理由や背景に触れながら、より実践的な知識や相場感を毎月お伝えしていけたらと思います。
ということで、まるで今回が最終回のような前振りをしてしまいましたが次回からもスタイルを変えて引き続きコラム執筆していきますので、どうぞよろしくお願いします。それでは少し早いですが、皆様くれぐれもよいお年を!
<Profile>
齋藤 清(さいとう きよし)
株式会社アールケイエンタープライズ・執行役員 兼 オークション事業本部 本部長 グローバルトレードと共催する「RKグローバルオークション」のオークショニアを務めるとともに、日本国内はもとより海外でも買い付けを行う敏腕バイヤー。ブランド品リユース業界歴は20年余り。ゴルフとお酒を愛する憎めない人柄で、業界関係者との人脈も深い。
第478号(2019/12/25発行)15面