トリアイナが札幌BJK買収 LIPSと共同でオークション
2020年01月09日
買取販売や古物市場運営を行うトリアイナ(東京都江東区)は1月9日に北海道札幌でオークション事業等を手掛けるBJK(北海道札幌市)を買収する。また、来年3月から同事業を札幌で行うLIPS(北海道札幌市)と共同でオークション開催に乗り出す。
左からトリアイナ三浦哲郎会長、BJK内田諭法会長、LIPS角馨社長、トリアイナ中山晴稔社長
NAMARAオークション発足
トリアイナは、2011年の設立。九州以南を除く全国で買取販売事業を行っており、東京でカメラ及び時計のオークション事業を展開する。今期の売上は単体で30億円を見込んでおり、BJKを100%子会社化することにより、50億円規模となる。
BJKは、約6年前から北海道札幌でオークション事業を開始。宝石を中心にブランドバッグや時計、骨董や着物、毛皮等を競る。代表の内田諭法会長は、「来年70歳を迎えるため事業承継の道を探っていた」と話す。M&Aにより、内田氏は代表権のない取締役会長に就任、来年7月に退任する。
札幌だからこそ荷を集められる
「関東の市場は成熟しており、これから淘汰の時代に入る。むしろ地方都市での市場開催に魅力を感じた。札幌だからこそ商品を集められる」とトリアイナの三浦哲郎会長は話す。
話はM&Aだけで終わらず、札幌でオークション事業を運営するLIPSに共同開催を持ちかけた。同じエリアで2つの市場があるよりは、一緒に規模を大きくした方が盛り上がると判断し、LIPSの角馨社長と交渉し、合意に至った。同社は昨年からオークション事業を開始。「道外に商品が流れていく中、北海道のマーケット活性化に貢献したい」との想いから始めた。
BJKは、宝石に強く、月の出来高は1億4000万円程度で会員は600社に及ぶ。一方、LIPSは、時計に強い。月の出来高は1億6000万円程度、会員企業は150社。
両市場が統合してもカニバリは少なそうだ。むしろ商材や会員において補完関係にあることや、会場費や人件費などの運営コスト軽減効果も見込める。
両社の出来高を単純に合わせれば、月3億円程度となり、年間で36億円規模の出来高となる。これを2年後までに50億円に引き上げる考えだ。
トリアイナTVCMで買取アクセル踏む
新たに発足する市場は「NAMARAオークション」。「なまら」とは「超」や「スゴイ」を意味する形容詞で北海道では慣れ親しまれた方言だ。来年2月に合同で試験開催を行い、3月から本格開催に移行する。ブランドバッグ、ブランドジュエリーは毎月月末または1日、ノンブランドジュエリーは5日、時計は20日に開催。歩銭は今後詰める。年会費や入会金は無料。参加費は3000円で下見料は無料。
運営主体はBJKでLIPSがサポートを行う。トリアイナは出品面を強化し3社で盛り上げる。
トリアイナは来年2月から買取サービス「COYASH」のTVCMを関東から始める計画。「ヒロミさんと松本伊代さんの夫婦でCMに出演して頂くのですが、夫婦での出演はこれが初めて」と話題を呼びそうだ。同社は、TVCM開始に伴い、買取のアクセルを踏む。また、同社が査定サポートを行う80店に対しても、同市場への出品を促しNAMARAへの出品量を押し上げる考えだ。
トリアイナでは来年2月からTVCMを開始。NAMARAオークションへの出品を強化する
「市場間でモノが回っているのが多く見られる中、NAMARAの強みは良質な初荷(うぶに)を集められること。規模も拡大することで売り手、買い手の方にも参加してもらいやすくなる。札幌という立地も活かせれば勝機は十分にある」(三浦哲郎会長)
第478号(2019/12/25発行)20面