中古売上ランキング2020BEST250、トップ10企業の合計中古売上高は4160億8000万円
2020年01月10日
中古売上ランキング2020
中古売上ランキングBEST250が出揃った。ゲオホールディングスはついに直営中古売上1000億円を突破した。2018年度実績を基にしたランキングとともに各社動向を紹介する。
*中古(リユース)売上ランキング2021(2019年度実績)はコチラのページをご参照ください(2021年1月10日投稿記事)
ゲオホールディングスの中古売上がついに、1000億円に達した。2019年3月期は前年比107%となる1066.7億円を上げ、1位をキープしている。古着や総合リユースのセカンドストリート事業が成長に寄与している。今後も店舗を増やし、売上を伸ばしていきそうだ。また、昨年は手薄だったブランドリユースの強化を図り、おお蔵を買収したことが話題となった。ブランド品に強いセカンドストリートなど新業態にも意欲的だ。
2位はブックオフグループホールディングス。19年3月期の中古売上は前年比101%となる799.5億円を上げ、4期ぶりに黒字転換した。20年3月期第2四半期決算説明会で、国内直営既存店売上が18年3月から19ヵ月連続で前年同月を上回っていると発表。地域特性に見合った商材拡充や店舗内外装の刷新など、店舗ごとに経営権限を与えた効果が大きい。現在は、百貨店内買取や買取専門店を増やすなど、高単価商材の買取りも強化している。
4位はブランドリユース最大手ともなるコメ兵。前年比108%となる420.4億円を上げた。ブランドオフの買収は、昨年の業界最大の話題となった。ブランド古物市を手掛ける両社が1つとなれば、業界への影響は高まる。またコメ兵は、ブランドオフが持つ知見を活かして海外展開を加速できる。コメ兵は今、店頭買取でAI技術を使った真贋判定の技術を取り入れている。これも海外展開加速の布石で、今後現地人材に対し人力ではなくAI技術を通して査定ノウハウを広め、展開スピードを上げる狙いだ。
コメ兵を追うのがブランド品などの買取専門店「なんぼや」を展開するSOU。順位は5位で、前年比120%となる378億円を上げた。新規出店によって仕入高を前年より17.8%伸ばし、結果、自社の「スターバイヤーズオークション」の出品増につなげた。昨年は香港で現地買取も開始。今後香港を含め海外店舗を5店展開することを目指している。
トップ10圏内で順位を上げてきたのが、中古ホビー店「駿河屋」をネットとリアルで展開するエーツー。前回は9位だったが今回は7位で、前年比124%となる211.1億円を上げた。ネット販売に強い同社は、昨年秋葉原に地上8階建の駿河屋旗艦店を開設するなど、15年よりリアル店を増やしている。現在オムニチャネルの推進や丸井グループとの資本提携などを通し、新規客層の獲得に力を入れている。
昨年2月に開設した駿河屋秋葉原本館は8階建て
新たにトップ10入りしたのが10位のトレジャー・ファクトリー。前年比108%となる177.4億円を上げた。創業来23期連続で増収を達成中。同社は今月から自社のネット道具市「トレファクライブネットオークション」を始める。これまで他社の市場を利用していたが、自社市場の運営により物流のコスト削減を図る。また他社からの仕入れにより、自店舗の品揃えを増やす。
ここまでがトップ10入りした主要企業の動向だ。トップ10企業の合計中古売上高は、前年比106.7%となる4160億8000万円だった。BtoCとCtoCを合わせた中古市場は今、2兆円到達を間近に控えている(本紙調査より)。フリマアプリの台頭は勿論だが、うち1兆3000億円を構成するBtoC領域をけん引しているのは、上位企業の成長によるところも大きいだろう。
第479号(2020/1/10発行)1面