TEG、光ネット商工協同組合、シニアに増すリユース需要へ新事業展開
2020年02月05日
いち早トレンド
リユース業界でシニアをターゲットに据えた新事業が増えている。メルカリやラクマのフリマ教室が盛況するなど、今後高齢化が進む国内ではますますシニアのリユース需要が増しそうだ。
終活アプリが1万DL
遺品整理や葬儀情報など
遺品整理サービス「みんなの買取プラザ」を展開する『TEG(東京都中央区)』の終活アプリ「KUU」が1万ダウンロードを達成した。同アプリは遺品整理や葬儀情報などを集めるキュレーションサイト。昨年1月のリリースから60代を中心にDLを伸ばしてきた。2月からは広告の受付を開始し、1年で5万社から出稿を募りたいという。
アプリは昨年1月にリリースされた
「KUUは終活に限らずシニアライフに役立つ情報の提供を目指している。生前整理や遺品整理などリユース業者に関連のあるカテゴリーだけでなく、趣味や旅行、葬儀や墓石などの情報も網羅している」と川野貞治社長は説明する。対象は40代以上。1日10記事の頻度で配信する。
同アプリは2月から無料で広告を出稿できるサービス「KUUAD FREE」を始める。業者は約2分で情報登録でき、市区町村ごとの地域情報が必須。審査を通過すれば、ユーザーの住む地域に合わせて業者の情報が表示される。たとえば、足立区に住むユーザーに対しては足立区の遺品整理業者の広告が表示される。有料プランは2000円~5万円で受け付け、1ヵ月間アプリ内で上位表示される。
シニア向けフリマサイト
健康グッズなど出品
「映像と音の友社」や「アートの友社」などリタイア世代向けの通販を運営する『光ネット商工協同組合(東京都中央区)』がシニア向けフリマサイト「ふるものイチ」を開始した。今年中にユーザー登録1万人を目指す。
同サイトは昨年7月末にスタートし、これまでに関東圏を中心に160人が登録した。仏具や洋服、書籍やDVD、健康グッズなどシニア向け商品が売買され、出品者は15%の手数料を差引かれた売上げ金を受取る。
同グループの通販はネットよりも紙からの反響が大きい。紙で情報を得ているシニア世代はフリマサービスへの認識がまだ薄いと判断し、同グループが抱える200万~300万人の読者を中心にユーザーを増やしたいという。同社は、グループの熟年時代社や映像と音の友社が掲載した広告の中にふるものイチの広告も掲載し、サイトへの問合せや新規登録に繋げると話す。「使い方が分からないなどの問合せはあるが、説明すればすぐに使って頂いている。出品者の4割近くが法人というのもうちの特徴」(矢島敬課長)
光ネット商工協同組合 矢島敬課長
「まずは出品者を募り、それから購入者も増やしていく。時間はかかりそうだ」(矢島氏)というが、シニアのマーケットへの期待感が窺える。
第480号(2020/1/25発行)10面