ヤマトシステム開発、マルチバリューチャージサービスでキャッシュレス決済に複数の選択肢
2020年02月20日
リユース×テクノロジー
キャッシュレス決済が盛んになる中、『ヤマトシステム開発(東京都江東区)』が昨年11月にリリースした「マルチバリューチャージサービス」にリユース企業から注目が集まっている。大手の「ブックオフ」が導入したほか、その他企業でも導入が検討されていると言う。
ヤマトシステム開発の「マルチバリューチャージサービス」は、企業からの支払いをキャッシュレス決済で受け取れるというものだ。つまり、買取の際、現金以外の決済手段でユーザーは受け取れるようになる。複数の決済手段から選択ができるため、ユーザー各自がよく利用する決済手段等を選んでチャージすることが可能だ。
現状で同社が提供しているのは、下の図にまとめられた決済手段が利用できる。
マルチバリューチャージサービスの概要図
導入企業はこの中から決済事業者を選んで利用することができる。リユース企業各社が決済事業者と直接接続しようとすると、開発負担が大きいことから、こうしたサービスを利用した方が賢明と言えそうだ。
導入したブックオフの場合、店頭買取時の待ち時間解消を図る狙いがある一方、時間帯によって偏る業務の平準化を図りたいとの考えがあった。また、店舗側では買取業務に追われて接客等の他の業務に時間が割けない問題がありこれを軽減する効果を期待したと言う。
「リユース企業の場合、宅配買取での導入が多いのではと見込んでいましたが、店頭買取、出張買取、催事買取などあらゆる買取でのニーズがあることが分かりました」(杉野啓太アシスタントマネージャー)
杉野啓太アシスタントマネージャー
宅配買取では、買取金の受取までの期間を短くできるとともに、振込手数料を抑えることができる。また、出張や催事買取では、現金が不足した場合の対処法のひとつとしてニーズがあると言う。その他にも「支払いは現金で行うが、ポイントのように別途、チャージするような使い方もできます」(同氏)と話す。
費用は、個別の対応となるが、導入費用に加え、トランザクションフィーが発生する。「銀行の振込手数料よりは低い金額。中小リユース事業者でも安価で提供できるモデルを早期に作っていく」(同氏)
今年中には、バーコード決済系の事業者にも対応する予定。バーコード決済は、ソフトバンクのPayPayを始め楽天ペイ、メルペイ、d払いなどがあり、キャッシュレス決済の主力事業者が提供する方式。対応すれば、キャッシュレス買取の利便性が高まり、利用者が増えることにつながりそうだ。
第481号(2020/2/10発行)11面