JAA(ジャパン・アパレル・オークション)、アパレル"箱"競り大会が人気 1万2000点からプロが宝探し
2020年02月24日
古物市場の『ジャパン・アパレル・オークション(以下:JAA・神奈川県横浜市)』が始めた、中古アパレルをダンボール箱ごとに競る「箱山大会」が人気を集めている。1万点を超える商品からお宝を探し出そうとバイヤーが熱心に下見を行っている。人気の秘訣を探ってみた。
開催前日着でOK
不良在庫を現金化
箱山大会は、昨年11月から月1回開催しており、1月26日で3回目となる。その名の通り、ダンボール箱等に入った商品ごとに競りが行われる。オークションの場合、単品で値が付きにくい場合に複数商品をまとめて競ることが珍しくないが、ダンボールごとに競る方式は珍しい。
商品は、洋服から毛皮、靴、ネクタイ、バッグ、アクセサリーなど。1箱の点数はさまざまで、数点のものから50点程度入ったものもある。
フェラガモ等の靴が13点入った箱
「基本的には出品者さんの方で箱の中身を作って頂いています。安すぎると送料分も回収できなくなってしまうため、工夫を凝らして頂いています」(谷春希氏)
この日は620箱の商品が競りにかけられた。大半の商品は成行で売られている。出品者は前日の25日までに商品を送れば、すぐに現金化できるため、不良在庫の現金化として利用しやすい面がある。
競りは16時からスタート。数時間で終了する
下見で努力した分買い手が報われる
買い手は40社程度が参加。人気の秘訣は、宝探し感覚で掘り出し物が見つかることにある。
「バイヤーは1万点以上ある商品を限られた時間の中で下見しなければなりません。そのため、見落としがあったりすることもある。中には思わず競りの値段が伸びて、そんな商品あったっけ?となることも。ですから下見で努力した分、買い手が報われる面がある。自分の好みのブランドが入った箱を探して買えれば、利益も出しやすい」(同氏)と話す。
下見は朝の8時から開始、競りが始まる16時まで、当日の大半は下見に割かれ、競りは数時間足らずで終わる。競り時間が短いことで相場にハリが生まれる点は、売り手買い手の双方にとっても好ましいことだろう。
下見は朝8時から16時まで
1箱20万円の値も出来高は2000万円
箱山ごとに競るとは言え、中には1箱に20万円の値が付くこともあり、平均単価は3万円近くにもなる。前回の出来高は2000万円にもなったという。JAAでは単品ごとに競る大会も行っているが、出品量の増加に伴い一部を箱山で競る方式に昨年11月から変更した。初回は500箱程度だったが、売り買い双方から人気で箱競りへの出品も増えている。
「今後は箱山専門の大会に切り替えることも検討しています。開催を2日間に増やすことも計画しています」(同氏)
第481号(2020/2/10発行)24面