新型肺炎(コロナウイルス)の影響、リユース市場にも
2020年02月25日
新型コロナウイルス(COVID―19)の影響が、リユース市場にも及んでいる。国内外で開催される催事等が中止や延期となり、事業者の販売機会が損なわれている。これにより、換金売りが増加し相場下落の懸念が高まっている。また、中国人を中心とした来店が減少しており、中古販売店ではインバウンド需要の減少にも警戒感を募らせている。
展示会延期や中止相次ぐ
3月の換金売りに警戒感見出し
香港インターナショナル・ジュエリー・ショー(以下:香港ジュエリーショー)等を運営する『香港貿易発展局(HKTDC)』は、出展者とバイヤーの安全への影響を考慮し、毎年3月に開催する同イベントを5月18日~21日へと延期する旨を発表した。
同イベントは、宝飾品を扱うリユース事業者も多数出展しており、販売機会を失った格好だ。また、延期に伴い同時期に香港で開催していた「NET JAPAN-KOMEHYO-PARK AUCTION」も中止を余儀なくされた。香港ジュエリーショーの延期を受けて影響が及びそうなのが、国内で宝飾品を扱う古物市場だ。各市場の状況を聞いたところ、まだ影響はさほどない様子。「国内にいる中国人バイヤーに売れており、影響はない」、「相場が崩れるのではと心配していたが、影響はなかった」と古物市場関係者は話す。
ただ、3月には業者の換金のための投げ売りが始まるのではと警戒感を募らせる。古物市場関係者の話では、1月に東京で開催された国際宝飾展(IJT)が振るわなかったため、3月の香港ジュエリーショーに期待していた事業者も多かったようだ。「5月に開催されるとは言え、在庫を持ち続けられる体力のある会社は限られる」、「IJTで取引が成立したものの納品出来ない事業者が多くいると聞く」「例年3月決算の会社が換金に動くのも重なる」ことから、3月には換金売りが増え、相場が下落するとの見立てが大勢を占める。宝石以外にも多くの中国人バイヤーの来場が見込まれていた国内イベントも中止や延期を余儀なくされている。骨董市の「横浜国際オークション」は2月開催の延期を発表。また、中古カメラ事業者も多数出展する「CP+(シーピープラス)2020」も中止されており、各社出品用在庫の捌き先に苦慮しそうだ。
また、中国人客を中心にインバウンド需要の減少も懸念されている。東京銀座の中古ブランド買取販売店では、「中国人を中心に来店が2割程度減った」と話す。また、秋葉原の中古ホビー店は「売上の影響はほぼない。中国人向けの免税売上は微減だが、全体では増加。ただ、明らかに海外客は減っており、影響が出るのはこれからかも」と危惧している。
第482号(2020/2/25発行)1面