銀座江戸市、回収業者から在庫買取 "準骨董"強みに越境販売
2020年02月26日
『銀座江戸市(東京都中央区)』が、遺品整理や不用品回収などの事業者がもつ在庫を買取り、国内外に売るビジネスに力を入れている。同社が今年注力するのが"準骨董"と呼ばれる、40年ほど前の日用品だ。
銀座江戸市は3年ほど前から、買取店向けに在庫販路の支援を行っている。事業者から在庫を仕入れ、国内外にネット販売している。海外向けには、タイやフィジー、欧米に販路を持つ。コンテナを用いた海外輸出に強く、10名程度のスタッフで1億円弱を売り上げる。
同社が今後、強化する商材は「準骨董」だ。40年ほど前に、結婚式の引出物などで流通した食器などが準骨董にあたる。40年前に結婚した世帯が生前整理、遺品整理を行う時期となったため、流通量が増えているという。
既に、国内相場が3000円程度の南部鉄瓶を仕入れ、アメリカ・ニューヨークにて800ドル(9万円弱)で販売した実績を持つ。統括本部長の田原雅博氏は「海外では国内以上にモノの本質や歴史的背景を重視しており、消費者がバリューを決定する要になる。だからこそ国内相場と海外相場は違う」と言う。
田原 雅博統括本部長
同社の強みは「銀座江戸市パートナー」との提携や、日本リユース機構、NPO団体との連携だ。田原氏は「個人事業主まで含めれば、100通りほどの提携先があり、最適な出口を提案できる」と胸を張る。"日本のモノを海外に伝える"ことを理念に、リユース業界の流通商社を目指す構えだ。
第482号(2020/2/25発行)2面