オークネットCP、ネット見直されリアルブランド加入3割増
2020年04月28日
ブランドオークション最前線vol.1
新型コロナで変わる、これまでの常識
新型コロナ感染拡大の影響により、リアルのブランド古物市場が次々に中止を余儀なくされている。そんな中で注目を集めているのがネットオークションだ。そこで、ネット古物市における先駆者企業オークネットCPの飯田雅則GMに現状を聞いた。
【ネット市場】オークネットCP 飯田雅則GM
ネット見直され加入3割増
オークネットCP 飯田雅則GM
--リアルでの市場開催が難しくなる中、加入者が増えているそうですね。
飯田 1週間で10社程度の申込みがあります。普段より3割増しです。元々多いのですが、ネット売りの事業者の加盟が多く、またネット仕入れを見直したいとの声もあります。加盟企業は海外で300社、国内で1800社になりました。
--どういった点が評価されている?
飯田 リモートで市場に行かなくても買え、ネット上で下見もできます。過去50回開催分の落札相場も見られるこの3つの点でしょうか。また、毎週開催しているため、いつでも買えるし売れる利便性もあると思います。
--新たに買いで参加される方にとって難しい点は。
飯田 商品のコンディションに対する慣れでしょうか。出品商品はオークネットが一括してコンディションのグレーディングを行っているのですが、その感覚に慣れてもらう必要があります。最初はなるべく上のランクから買い、徐々に下のランクを買っていき、自社が欲しい商材のランクを見極めて頂くよう推奨しています。
--一方、売り手も増えていると思いますが。
飯田 出品数量で15〜16%増でしょうか。1週間で1万1000から1万2000点の出品です。
--相場が下落していると聞きますが。
飯田 バッグ、貴金属はさほど変化はないが、時計は2~3割程度下落しています。海外は米国が厳しいですが、EU圏や中国系のバイヤーが買っており、国内のネット売りも買っています。
--成約率に変化は。
飯田 成約率は7割後半から7割前半に少し落ちました。出品量が増えたことや買い控えの影響はあります。ただ、指値に届かなくても売り切る出品者も増えており、成約率は大きく下がってはいません。
--物流倉庫など人が関わる面も多分にあります。
飯田 ネットとは言え、センターで感染者が出てしまうと止まってしまうので、最大限注意を払っています。また、4月21日、28日の開催は、入札方式の対象を2万円以下から5万円以下に引き上げ、競り上がり方式のチャネル数を6から3に減らしました。運営に関わる人数を減らして、継続的に開催できるようにしています。
第486号(2020/4/25発行)11面