俺のオークション、参加者の声を聞いてリアルブランド市場開催判断
2020年04月28日
ブランドオークション最前線vol.1
新型コロナで変わる、これまでの常識
新型コロナ感染拡大の影響により、リアルのブランド古物市場が次々に中止を余儀なくされている。そんな中で注目を集めているのがネットオークションだ。そこで、平場の開催を続ける俺のオークション石井竜二代表に現状を聞いた。
【リアル市場】俺のオークション 石井竜二代表
参加者の声を聞いて開催判断
俺のオークション 石井竜二代表
--多くの大会や平場が中止する中、リアルの市場開催を続けていますね。
石井 一般論で言えば、止めてしまった方がいいのは分かるのですが、あえてやった時の反応を知りたかったというのがあります。売主さんは、他の市場がなくなっているから、やってほしいと言う声もある一方、買主さんも仕入れがしたいという声もありましたので、とりあえずやってやろうと。売り手、買い手の話を聞いて、中止にするのはそれからでもいいと思いました。
--何を持って継続するかを判断されるのですか?
石井 市場は売主と買主がいて初めて成り立ちます。一方にだけメリットがあるだけでは成り立ちません。
--とすると成約率がひとつの目安になりますか。
石井 そうですね。成約率と金額になります。
--他の市場が開催を中止する中、出品が増えているのでは?
石井 指値を通常は3万円以上にしていますが、5000円以上に下げました。その影響もあってか、普段出品されない方からも頂き2500点が集まっています。
--一方で、買い手は参加しない方もいるのでは。
石井 普段多くの商品を買って頂いている方が、ほぼ参加できないようで、コロナの感染が拡大してから2割程度減った印象です。年配の方でご自身の感染や家族に移したくないという方もいらっしゃいます。こんな事態ですので買いを抑えたい方もいます。ただ一方で、あえて参加したいと言ってくださる方もいます。感染は怖いけど、やるなら行きますと。ネット売りやイーベイ等で単価が高くない商品を扱っている方はさほど影響がないようなので。ですから、概ね参加人数的には普段と変わらないかと思います。
--コロナ前に比べて相場は下がっていますよね。
石井 ヴィトンのきれいなバッグは半値程度に下がっている。10万円したのが5、6万円に。小売り向けの商品が値を落としている。ただ、ヴィトンの3万円以下やシャネルのマトラッセ等の定番品は影響をさほど受けていない。バッグ全体で3~4割減といったところ。
--相場はいつ戻るのでしょうか。
石井 僕は今年いっぱいかかると見ています。相場はさらに下がる可能性が高い。米国のバイヤーが入ってくる前の相場に戻るのではと。
第486号(2020/4/25発行)11面