質の非対面取引パブコメ募集 全質連は断固反対、白紙撤回を要望
2020年05月10日
警察庁が実施した質の非対面取引に関するパブリックコメント(以下:パブコメ)募集に対して、反対意見が相次いでいる。募集の主な内容は、質取引において非対面での身分確認を認める特例措置についてだ。質屋営業法第十六条の物品を質に取る場合の確認方法において、質置主から住所、氏名、職業及び年齢の申出を受けるとともに、質置主の写真付き身分証明書が明瞭に表示された写しの送付を受け、それに記載された者の住所宛に本人確認郵便物等を送付し到着を確かめた場合、本人の預貯金口座に振り込み等で貸し付けを行うことができるようにすると言うもの。
この件についてSNS等では反対意見が相次いでおり、パブコメへの協力要請を促す呼びかけが行われていた。募集期限は4月23日までだったため、既に応募は締め切られているが、今後の動向に注目が集まっている。全国質屋組合連合会の菊池章二会長は「この特例について、全質連としては断固反対。白紙撤回して頂くよう強く警察庁へ要望しています」と強く憤る。
本紙で取材した中、反対意見はさまざま挙げられているが、主な理由として挙げられているのが、盗難等の犯罪を助長させる恐れだ。対面取引の際は、本人確認に加え持ち込まれた商品に関する質問等を通して盗品でないかを確認している。これを行うのが非対面での取引では困難なためだ。全質連は、これまで防犯協力を積極的に行ってきており、「なぜ逆行するような法改正を行うのか」と疑問や戸惑いの声も聞かれた。ただ中には、「パブコメには回答していないが、買取では既に非対面が行われている。質も時代の流れなのでは」(匿名質店)と容認する声もある。本紙ではこの事案について引き続き紹介していく考えだ。
第487号(2020/5/10発行)1面