コロナ下で変わる接客 個室避け、対面時間最小限に
2020年05月10日
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、買取時の接客方法が変わってきている。3密を避けるために個室での対応をやめ、対面での会話も極力短くする店舗もある。これまでのホスピタリティが、コロナ下では裏目に出る恐れもある。査定スタッフは、自身の対応が常識か非常識なのか自問自答しながらの接客を迫られている。
「マスクもスリッパも当然持参してくれますよね?」―東京某所のリユース店に出張買取依頼の電話が入った。「引越しするから、要らなくなった家電を見にきてほしい」。すると続けざまに冒頭のような戒めの言葉を投げかけられ面食らった。査定員は依頼主自宅の玄関前に着き、インターホンを押そうとした際、「マスク姿の自分の顔を見せても良いのだろうか」と迷いがよぎった。
コロナ下ではこれまでの常識が崩れた。「マスクをして接客する方が安心感を与え、成約に繋がりやすい」との声もあり、その逆は白い目で見られる恐れもある。
接客の変化は店頭買取でも起きている。札幌でリユース店「モノココ」を運営するルーツ・オブ・ジャパンでは店先にテントを設置し、入店せずに不要品を売却できる「ドライブスルー買取」を実施。また、広島で「リサイクルショップリバース」を運営する勝原商事でも、買取品を査定するまで駐車場で待機をしてもらう「パーキング査定」を行う。名古屋の大進洋行では、お客を接客カウンターに通すのをやめ、広い待合室で査定が終わるまで待ってもらう対応に変えた。売りの1つだったドリンクサービスの提供も控えている。
「モノココ」では入店せずに不要品を売却できる「ドライブスルー買取」を実施
これまでは、お客の目の前で査定する透明性のある接客が好まれる傾向にあった。だが、コロナ下では対面時間を短くした接客が受け入れられている。
第487号(2020/5/10発行)1面