テイツーが山徳を買収
2020年06月11日
EC強化 中古売上の1割目指す
「古本市場」などを約100店展開しているテイツー(岡山県岡山市)が、中古ゲームやトレカ、アイドルグッズのネット販売を行う山徳(石川県金沢市)を買収した。6月1日に山徳の全株式がテイツーに譲渡された。取得額は非開示。
テイツーは赤字続きのEC事業を2017年に撤退したが、前期に再参入していた。山徳の販路やノウハウを活かし、中古売上EC率を1割にまで伸ばす。
テイツーの2020年2月期売上高は214.4億円。106億円が古本や中古ゲーム・トレカによるもので、うち3.4億円は前期に再開したECによるもの。現在店舗の滞留品や希少性の高い商品をアマゾンに出品しており、これが好調に推移。中古売上全体では前年からほぼ横ばいだった。
一方新品売上では、DLコンテンツ台頭でゲームが苦戦するなど前年より10.3%落とした。これを補うため、山徳が強みとする「マジック:ザ・ギャザリング」のトレカやアイドルグッズなどを取り入れて中古商材の幅を利かし、ECも伸ばす考え。
テイツーは山徳買収によりネット販売強化や商材幅拡充を図る
山徳は2000年にイーベイ販売に参入し国内外でのEC実績が高い。2019年12月期の売上高は15.4億円。テイツーの青野友弘取締役管理部長は、「EC専業である山徳には完成された販路がある。そこに当店で買取りした商品を流し、EC率1割達成の牽引役として期待する」と話す。
テイツー 青野友弘取締役管理部長
テイツーは2017年まで20年近くEC事業を持ち、新品・中古で計20億円の売上を計上。だが、自社サイト構築やランニング費用がかさみ赤字が続いた。現在自社サイトはない。前期にはEC再開に際して、物流倉庫を関東に増設し運用開始していた。
第489号(2020/6/10発行)2面