中古スマホ 物流制限で国内需要の喚起が必要
2020年06月23日
第89回 コロナウイルスの影響について
WEBへの流れ加速
物流制限で国内需要の喚起が必要
考察1:世界の中古スマホの流動性が減少
従来、グローバルな端末の流通フローは、欧米や日本からハブである香港やシンガポール、ドバイを経由して東南アジアやアフリカへという流れでした。新品端末自体の販売数が、各国のロックダウンや外出自粛の影響で大幅に減少しているため、中古端末確保は「ビフォーコロナ」より難しくなりつつあります。
また、物流が止まっているかもしくは制限がかかっているため端末のグローバルな流動性が大きく減少しています。各国の経済が疲弊し、各家庭の収入減少等から、より安い端末のニーズが増加しそうです。
考察2:「日本国内から輸出」がメインのモデルから「国内回帰へ」
これまで、国内の中古端末はほぼ海外に輸出されていました。
理由には、海外マーケットが国内よりもはるかに大きい、業者のバイイングパワーがあり大量に買える、キャッシュフローが良い、などが挙げられます。その一方で、iPhoneを中心にSIMフリーを香港やシンガポールなどから輸入していました。
今は売れ筋のiPhoneの輸出入が難しいためAndroidを中心に国内の中古需要を引き出す必要があります。またテレワーク需要で低価格の中古タブレットやスマホのニーズが上がってきているので、新たな顧客を創造するチャンスが到来しているとも言えるでしょう。
考察3:店舗メインからWEBへ
休業する中古スマホ店
営業自粛で、ここ数ヵ月ほとんどの店舗が休業しています。キャリアショップも休業してWEBへ誘導が始まっています。すでにキャリアショップの店舗の統廃合もスタート。
中古業界だけではありません。今秋から第二波の到来が予測されている中、さらにWEBへの流れは加速するでしょう。
WEBでどの消費者をターゲットとし、顧客に価値を与えていくのか、今一度原点に戻って考える時期が来たのかもしれません。(5/25執筆)
第489号(2020/6/10発行)17面