ゼンマーケット、送料値上げでトレカ人気集中
2020年07月07日
Borderless!
海外越境最前線 購入代行サービス最新動向
航空旅客便の減便に伴い、4月からEMSが停止するなど物流に大きな影響が出る中で、購入代行を行う事業者に注目が集まった。コロナ前と比べ、売れ筋の商品や地域も大きく変化したようだ。最新の状況を聞いた。
100万超えポケモンカードも
中古品の海外向け購入代行で成長しているのがゼンマーケット(大阪府大阪市)だ。
民間の国際宅配便であるクーリエ各社との提携増などにより、5月以降はコロナ前と比べ3割ほど購入金額が上昇している。特にトレカの可能性は大きい。
14年設立の同社は、購入代行の「ゼンマーケット」やECサイトの「ZenPlus」を運営し、年間1.5倍程度のペースで成長。コロナによる物流の停滞を受けて4月は売上を落としたが、現在は中古のブランド品やフィギュアがコロナ前の水準に戻ったほか、ポケモンカードを中心にトレカが人気だ。
2500万円のポケモンカードが出品された
「コロナ以降送料の安いトレカに注目が集まっている。欧米諸国、特に仏でポケモンカード人気が高い」(ZenPlus事業部 北川将一氏)。
ZenPlus事業部 北川将一氏
もともとコロナ前からトレカの人気はあったが、近年は投資やビジネス目的の購入が増加。100万円以上の希少トレカが月1枚程度のペースで売れている。
また、巣ごもりにより、ゼンマーケットの新規ユーザーが増加した。単価の低い中古ブランドバッグが米・中に、国産の中古時計が東南アジア諸国に向け売れ始めており、北川氏は「越境はこれからも大きなチャンスがある」と太鼓判を押す。
一方で、ロシア・ウクライナ向け釣具類は、EMS停止による影響から低迷。船便での発送を復活させるなどの対応をしている。
第490号(2020/6/25発行)15面