高齢社会でリユース企業の存在価値高まる
コロナ自粛で、在宅ながらに物をCtoC売買できるサービスが再加速している。リユース企業にとってはモデル転換が求められている中、ウイルパワー(岡山県倉敷市)の江川健次郎社長は、「物を介してサービスを広げていく」重要さを唱えている。物の片付け等を通じて、高齢社会にアプローチできる今こそ、リユース企業が存在価値を高められるチャンスだという。
ウイルパワー 江川 健次郎 社長
断捨離で買取増えるも安価な輸出向けばかり
── 新型コロナの影響は、御社にはどう及んでいますか。
江川 金相場が6000円台に入った3月、金プラ含めて月間売上が前年比で5割程度上がりました。これは単に知り合いからの持ち込みがあったためで、それを差し引くと3月の売上は実質2割のダウン。以降も金プラを除いた一般的なリユース品の売上だけで言えば、4月も2割ダウンで、5月は3割のダウン。ただ6月は25%アップし、7月も8.7%アップと回復してきています。
── お客は戻ってきているようですね。
江川 お客様の数の多さで言えば、どちらかと言うと買取りなんですよ。例年よりも買取高は少ないですが、持ち込みの品数は多い。それも、国内流通よりかは輸出に回されるような食器とかぬいぐるみとか、ちょっとした雑貨とか単価の安い物が増えています。それこそ皆さん断捨離をしているんだと思います。
── 輸出については、まだまだ従来の状況までには戻っていないと聞きますが。
江川 タイとフィリピンにこれまで出してきました。今フィリピンについてはもう少し待ってくれと言われている状況ですが、タイは6月上旬から動き始めていると聞き、当社でも7月から出し始めています。オークションではなく、現地のバイヤーに直接コンテナ1本いくらというように売っています。需要があるのはぬいぐるみとか雑貨とかバッグなど。今現地の小売店は小物の扱いに集中し、逆に大きな物をなかなか動かせないでいるので、家具などの需要はどこもないみたいです。
第494号(2020/8/25発行)9面