「シェアサイクル」に脚光
通勤や出前での利用が加速
新型コロナ感染拡大の影響で、「三密」を避ける新しい生活様式が定着しつつある。そんな中、満員電車を避け、自転車利用にシフトする動きが出てきている。特に緊急事態宣言以降、働き盛りの男性を中心に「シェアサイクル」の登録者が急増し、通勤利用以外にも活用の幅が広がってきている。
都市部でシェアサイクル利用が増加
家から職場へ利用時間3割増
「職場の最寄り駅から職場まで利用するケースが目立ってきています」こう話すのは、Open Street(東京都港区)の工藤智彰執行役員だ。同社は、ソフトバンクやヤフー系列が出資するシェアサイクルのプラットフォーム事業「ハローサイクリング」を展開し、100万人弱が登録。2016年から事業を開始し、すでに55自治体と提携、およそ2600ヵ所の駐輪場と約1万台の自転車を配備している。
リモート授業等の影響で大学生の利用が減少する一方、30~40代男性の利用が増加。これまで職場の最寄り駅から職場までの利用が多かったが、公共交通機関の利用を避け、自宅から職場まで利用するケースが増えた。これにより、1人当たりの平均利用時間は、3月の54分に対して5月は70分に。距離では2.7㎞から4.2㎞に増加した。
通勤以外にも利用の幅が広がっている。ステイホームの影響で需要が伸びる出前サービスの利用をうまく取り込んでいるのが、ドコモ・バイクシェア(東京都港区)だ。都内中心に全国1万3900台の自転車を展開。30~40代の男性を中心に新規登録者が増加し、総登録者は81万人に到達した。
ドコモ・バイクシェアのアプリ画面
第494号(2020/8/25発行)20面