質屋の融資、大量の出質が止まらない
2020年08月28日
質屋の出質が止まらない
公庫融資や給付金が入り、質草の大量請け出しが発生
新型コロナウイルスの感染拡大で増えていた質屋の融資だが、6月頃から風向きが変わり、大量の出質が発生している。いったい何が起きているのだろうか。首都圏と関西の質屋の代表に話を聞いた。
全国の質屋では6月から7月にかけて出質が急増していた
「6月に入ってから出質が大量に増え、止まらなくなった。7月上旬がピークで、質草の2割3分が請け出された。この業界に入って22年になるが、こんな経験は初めてだ」。そう語るのは、神奈川県横浜市の繁華街にある質屋のK代表。
7月後半から出質のペースが緩やかになり、入質も少し入り始めたが、それでも請け出しの方が多い状態が続いているという。
出質(でびち、でしち)とは、現金と利息を支払い、預けている質草を手元に戻すことで、質請けともいう。質草を請け出されると、元金と利息が入るので一時的には潤うが、大量の出質は安定した利息収入を失うことになり、質屋の経営を揺るがしかねない。
第494号(2020/8/25発行)13面