お宝あるか? ビデオ通話で嗅ぎ分け
査定士とビデオ通話でつながり、スマホ越しに不要品を見せると買取額を教えてもらえる――。コロナ下の今ビデオ通話が生活と密着しつつあるが、これを用いた買取サービスを、業界先駆けで提供していたのが出張買取のマクサス(東京都品川区)だ。名称は「SEL-LIVE」(セルライブ)。画面に映し出された部屋の中にはもっとお宝があるかもしれない――。「ついで買取」の掘り起こしを得意とする出張業者にこそ、ビデオ通話は強力なツールになりうるという。
SEL-LIVEは2016年にスタートしたビデオ通話買取サービス
「出張買取業者にこそ強力ツールに」
「引越するため冷蔵庫と洗濯機を処分したい」。都内に住む20代女性から電話が入り、セルライブでの査定へと移った。2つとも年式は5年ほど古く、それほど高価買取が期待できない。通常こういった状況であれば、マクサスが直接訪問せずに、提携業者が集荷に赴く。セルライブはあくまで、出張買取の効率化を図るために生み出したツールだ。
買取額、当初予定7倍に「使ってないもの」次々と
この20代女性の買取依頼に対応したのがマクサスの執行役員でバイヤーも務める菅野広大さんだった。冷蔵庫・洗濯機ともまだ移動されておらず、定位置のまま。「もっと引きで見せてください」「搬出経路も確認させてください」。こうお客に伝えると、必然的に部屋の雰囲気が画面に映し出される。ちらりと見えたのが、ソファーの上に煩雑に置かれた洋服やブランドバッグの山。部屋も随分と奥行きがありそう。これに気づいた菅野さんは、「より正確な査定がしたいので」と直ぐの訪問を提案。引越日が迫っていた女性客も、快く引き受けた。
第495号(2020/9/10発行)10面