パラジウム相場 高止まりの謎
今後プラチナも狙い目に?
パラジウムの価格が高止まりしている。日本マテリアル(東京都千代田区)が公表している相場によると、16年ごろまでグラム2000円程度を推移していたものが、コロナ直前に1万円を超えた。11月には再び、コロナ以降の最高値となるグラム9000円代まで回復。なぜ5年で5倍の価格となったのか。パラジウムの謎に、リユース探偵が踏み込んだ。
過去5年のパラジウム価格推移(出典:日本マテリアル)
パラジウムとは白金族元素の1つで貴金属の一種だ。他の鉱物と異なり、パラジウムをメインに産出する鉱山はなく、ニッケル鉱山などで副次的に掘り出される。ロシアや南アフリカが主な産地で、もっぱらガソリン車の触媒や、宝飾品用プラチナの「割り金」として利用される。また、歯科で用いられる銀歯にも混ざっている。例えばプラチナの900や850等の宝飾類や、歯科用の銀歯にパラジウムが入っている。
自動車需要が相場押し上げたか
地金を扱う日本マテリアル(東京都千代田区)は、この金属の高騰要因を、特に自動車産業での需要が増し、さらに世界情勢から供給が逼迫していることだと分析する。
第500号(2020/11/25発行)14面