価値あるものを長く使い続ける。今、SDGsの目標の一つ「つくる責任つかう責任」の考えが広まったことで、そうした機運が高まっている。リユース商材の1つ、家具も長く使い続けるためには、修復技術を持った職人の存在は欠かせない。スゴ腕の職人技を紹介する。
フィクサス(埼玉県川口市)の代表取締役・古賀照也さんは長年、有名ホテルの家具のメンテナンスを手掛けてきた熟練の職人。
修理で多いのは客室のテーブルなどの家具。宴会場の司会者用の演台などもキズがつきやすい。
「ホテルでは、テーブルのキズの修復が一番多いですね。その他、アンティーク家具店、個人の方からの依頼で、様々な家具の修復を行っています」と古賀さん。
ホテルのテーブルの修復。上が修復前のもので、下が修復後
古賀さんが修復を行う上で大切にしているのは、「直した跡を気付かせないこと」。どこから見ても、元の状態に近い、ナチュラルな仕上がりにこだわっている。
買い取った家具を修理できれば、高い値段で販売できるケースは多いと思われる。しかし、店舗で顧客が満足できるまでのクオリティに仕上げるのは難しいのが現状だ。
古賀さんの会社では、天板の全面修復費用はおおよそ5〜6万円。台数が多ければ、その分単価を下げることができるという。また、店舗にスペースがあれば、出張での修復にも対応している。
第506号(2021/2/25発行)17面