古書店主に、思い出に残っている一冊を紹介してもらうリレー連載。第一回目は東京くりから堂の土屋貴司さんの思東京くりから堂 い出の本を紹介する。 |
僕の思い出の一冊はつげ義春さんの「夢の散歩」です。
つげ義春「夢の散歩」 昭和56年 日本文芸社刊
同級生の家で読んで、今までにない世界観がすごく印象に残りました。これまで読んできた漫画は起承転結がありました。しかし、つげさんの漫画にはそれがない。不思議な読後感、なんとも言えない気持ちになる。そういう作品があること自体知りませんでした。
そこで、地元・自由が丘の古書店に「つげ義春さんの本が読みたい」と相談に行きました。その時は本がなくて、「探しておくから、またおいで」と言われ、初めて買ったのがこの本です。値段は千円ほどで、この後も数冊つげさんの本を探してもらい、購入しました。
第507号(2021/3/10発行)10面