エーツー「京商」を買収、その経緯と京商の再起について聞いた
2021年04月22日
「駿河屋」の屋号で知られるホビーリユースのエーツー(静岡県静岡市)が、ラジオコントロール(RC)カーの老舗メーカー「京商」を買収した。二次流通企業が一次流通をつかさどるメーカーを買収する例は珍しい。杉山綱重社長に買収の経緯と京商の再起について聞いた。
エーツー、ラジコンメーカーを買収
エーツーが京商を買収。今後の動きが注目される
「京商」再起はいかにして?
京商は1963年創業で、RCカーを主に製造・販売する老舗企業。「KYOSHO」ブランドは世界にも愛好者がおり、知名度が高い。国内のRCカー市場は「ミニ四駆」でお馴染みのタミヤがトップで、2位の京商との2強時代が長く続いたと見られる。
全盛期で年商150億円を上げていたとされる京商だが、リーマンショックやモータースポーツ界の冷え込みにより業績が低迷。2018年には、新生レンブラントパートナーズ1号投資事業有限責任組合の下で再建が図られることになった。同ファンドの管理下で直近、京商は年商40億円ほどと全盛期から大きく売上を減らすも黒字化に達している状況。この段階で、エーツーにバトンが渡された格好だ。
エーツーはネット通販とリアル店の「駿河屋」を展開し、20年8月期の売上高は約254億円。うち約215億円をリユースで上げ、その7割をフィギュアやぬいぐるみなどアニメ関連グッズを主とした「ホビー」カテゴリで構成する。このカテゴリで業界トップクラスに位置するが、アニメ以外のホビーの扱いも強い。杉山綱重社長によると、「ミニカーやNゲージ(鉄道模型)の新品とリユースを合わせた売上は、ここ3年、それぞれ2倍強成長と好調」。同じく乗り物玩具のRCカーにも期待を寄せ、自店舗や提携先の店舗で京商製品を拡販しシナジーを見込む。
第510号(2021/4/25発行)20面