中古スマホ・パソコン売上ランキング2024(2023年度)
2025年03月03日
中古PC・携帯売上ランキング2024がまとまりました。リユース業界専門紙「リユース経済新聞」がリユース企業の売上を調査、PC・携帯売上のTOP15社をランキング形式で紹介します。尚、売上高は2023年度の実績値となります。
1:中古PC・携帯売上ランキングとは?
中古PC・携帯売上ランキングは、リユース経済新聞が毎年1回、全国のリユース企業を対象に行う調査「中古(リユース)売上ランキング」をもとに、PC・携帯の販売割合や販売量を算出し、紹介しています。
PC・携帯ではITリユースを扱う企業が対象になります。リユース事業でよく見られる商材として、Windows・MacBook・ChromeBookなどのデスクトップやノートPC、iPhoneやAndroid搭載のGalaxy・Xperia・Pixelをはじめとするスマートフォン、iPadやKindle Fireなどのタブレット端末があります。
また、買取販売に留まらず、PCのデータ消去やマテリアルリサイクル、レンタルなどを行う企業も見られます。
その他、総合的な調査結果はコチラの記事を参照ください:リユース売上ランキング2024 BEST300(2023年度実績)
「リユース売上ランキング2024」調査概要
調査概要:2023年度におけるリユース売上高を基に順位付けを行った。23年4月から24年3月までのいずれかを通期決算月として締めたリユース売上を23年度実績とした(一部企業においてはその限りでない)。
調査期間・方法:2024年5~6月に、インターネットフォーム、FAX、電話、メールのいずれかで回答を受け付けた。
2:中古PC・携帯の市場規模は?
ランキング入りした企業の紹介に入る前に、中古PC・携帯の市場規模についてご紹介します。
リユース経済新聞の調査では、2023年のリユース市場規模は、3兆1227億円。そのうち中古PCは1048億円、携帯・スマホは865億円の市場規模があります。携帯・スマホは前年比25.2%と伸長しています。
中古スマホの人気は根強く、総合リユース店から専門店まで、数多くの取り扱いがあります。特にiPhoneはリセールバリューが高いことで知られます。端末価格の高騰、型落ちモデルでも快適に使える性能の向上により、現在も中古PC・携帯の中心的商材として人気を集めています。
PC・スマホの販売においては東京・秋葉原や大阪・日本橋、名古屋の大須など、いわゆる電気街で販売を行う企業が目立ちますが、それ以外にもロードサイドやオンラインなど、様々な場所で中古スマホの取り扱いを見かけるようになりました。法人向けの需要もあり、社用携帯、社用PCとして法人向け販売を行う企業や、リースアップ品などを買い取る企業が多く見られます。
コロナ禍以降、在宅ワークを行う中で自家用のPCや、社用携帯のニーズが増えました。現在、こうした在宅PCの需要は一巡したものの、今年「Windows10」のサポート終了が控えており、先行きは不透明です。
中古スマホは、新品端末の値上がりを受け、中古品の相場も上昇。買い替えが進む一方で、割安な中古品を求める動きも増えています。また総務省は2024年4月、中古スマホにかかるネットワーク利用制限を、原則禁止とする方向性を明らかにしました。いわゆる赤ロム問題が解消すれば、利用者の安心感にもつながり、中古スマホの普及が一段と進みそうです。
3:売上ランキングTOP15社を紹介
ここからは、中古品(リユース)PC・携帯売上ランキングのTOP15社を紹介していきます。※印はリユース経済新聞の推計値、正確な数字とは異なる場合があります。
15位 オーエープラザ(OA-PLAZA) PC・携帯中古売上高 ※20.0億円
15位は、埼玉県八潮市に本社を置くオーエープラザです。中古パソコンとOA機器を、自社サイトのほか、Yahoo!ショッピング、Amazon等の各種マーケットプレイスで販売しています。また国内事業者への卸事業や海外輸出事業も手掛けています。
14位 ムーバブルトレードネットワークス(PCジャングル) PC・携帯中古売上高 ※21.0億円
14位は、東京都千代田区に本社を置くムーバブルトレードネットワークスです。中古パソコンや中古スマホのリユースを手掛けています。法人販売のほか「PCジャングル」の屋号で一般顧客向けの小売業も展開しており、24年3月からライブ販売を開始しています。
13位 日本システムケア(OAステーション) PC・携帯中古売上高 25.0億円
13位は、日本システムケアです。使用済みIT機器の買取販売を行っています。データ消去やキッティング、保守などをワンストップで担うライフサイクルマネジメント(LCM)サービスが強み。24年8月からPCのリユース等を展開するデジタルリユースと業務提携を開始しました。
12位 TCE(デジタル特選館PCコンフル) PC・携帯中古売上高 25.7億円
12位は、TCEです。中古パソコン等OA機器の国内販売を手掛けています。デジタル特選館PCコンフル」は東京、愛知、大阪、兵庫などで16店舗を展開。リユース売上高のうち50%が店頭小売、30%が卸となっています。24年3月には「ジャンクコンフル秋葉原店」をオープンしました。
11位 ニューズドテック(トリスマ) PC・携帯中古売上高 ※27.6億円
11位は、東京都中央区が拠点のニューズドテックです。中古スマホの販売および法人向けレンタル等を行っています。レンタル事業では、toBおよびtoCでサービスを展開。法人向けの「マンスリースマホ・タブレット」と、個人向けの「ママタブ」をリリースしています。
10位 エスエヌシー(PCWrap、アコリモ) PC・携帯中古売上高 28.6億円
10位は、大阪府大阪市に本社を置くエスエヌシーです。「PCWrap」「アコリモ」で中古パソコンの買取販売等を行っています。ソフトウェアの品質保証等を行う上場企業 SHIFT(シフト)グループで事業を拡大しており、法人向けにIT周りの困りごとを解決するBPOサービス等も行っています。
9位 モバイルケアテクノロジーズ(−) PC・携帯中古売上高 30.0億円
9位は、丸紅グループのモバイルケアテクノロジーズです。使用済みのスマホ、タブレット端末などを買い取り、国内外でのリユース・リサイクルを推進しています。また、法人・自治体向けに新品およびリユース端末のレンタルサービスを提供しています。
8位 リングロー(−) PC・携帯中古売上高 30.2億円
8位は、東京都豊島区に本社を置くリングローです。OA機器の買取販売・修理を手掛けています。24年3月に個人消費者向けのECサイト「R∞PC(アールピーシー) 公式ショップ」にて、中古PCの販売を開始。同年5月からは「カメラのキタムラ」ネットショップで同じく中古PCの販売を開始しました。
7位 ReYuu Japan(ReYuu) PC・携帯中古売上高 37.3億円
7位は、中古スマホ・パソコンの販売やレンタルを手掛けるReYuu Japanです。強みとしてきた法人向け卸販売に加え、toC向けの買取・販売を拡大しています。24年2月に日本テレホンから「ReYuu Japan」に商号を変更したほか、今年1月には重富崇史氏が新社長に就任しました。
6位 ブックオフグループホールディングス(ブックオフ、ブックオフスーパーバザー) PC・携帯中古売上高 ※45.5億円
6位は、古本店チェーン最大手のブックオフグループホールディングスです。「ブックオフ」などで中古書籍やDVD、ゲームを扱うほか、携帯電話やデジタル家電なども幅広く買取販売しています。大型店の「ブックオフスーパーバザー(BSB)」等も展開中です。
5位 インバースネット(ショップ・インバース) PC・携帯中古売上高 ※46.4億円
5位はインバースネットです。ヤマダホールディングスグループ傘下で、中古パソコン・携帯の買取販売等を行っています。「ショップ・インバース」を東京、大阪、愛知、北海道で7店舗展開するほか、楽天市場やYahoo!オークション等に出店。オリジナルパソコンの生産も手掛けます。
4位 イオシス(イオシス) PC・携帯中古売上高 ※142.7億円
4位は、イオシスです。5位以下と100億円近くの差をつけてランクインしました。本社を大阪府大阪市に置き、スマホ、PC等の買取販売を行っています。24年4月に丸紅と業務提携を締結。今年2月には「イオシス 中野サンモール店」をオープンしました。
3位 パステック(モバステ) PC・携帯中古売上高 207.0億円
3位は、スマホやタブレット等の買取専門店を手掛けるパステックです。店舗網は北海道、東京、大阪など全国に広がっています。23年度は、売上高のうち7割を海外輸出が占めており、海外向け販路を強みに成長しています。リユース企業 成長率ランキングでは1位に輝きました。
2位 ソフマップ(ソフマップ、じゃんぱら) PC・携帯中古売上高 240.8億円
2位は、ソフマップです。パソコンやデジタル家電などの買取販売およびサポートを行っています。23年末には業務用機器のリユース事業を手掛けるエーワンを買収しており、オフィス機器・家具を中心に法人向けの買取販売を強化予定です。
1位 ゲオホールディングス(ゲオモバイル、ゲオ) PC・携帯中古売上高 356.3億円
1位には、ゲオホールディングスが輝きました。メディアリユースの「GEO」、古着等の「セカンドストリート」等を運営しています。スマホでは「ゲオモバイル」単独店に加え、全国の「ゲオ」店舗網を活かすことで、競合の少ない地方都市でも存在感を発揮しています。
4:2024年(2023年度)調査から見えた変化
中古PC・携帯ランキングの1位はゲオホールディングスとなりました。同社は「ゲオ」や「ゲオモバイル」にて、中古スマホを扱っています。昨年の319.4億円から356.3億円に売上高を伸ばしており、古着を強みとしながらも、中古スマホが成長を見せています。
また「モバステ」 を運営するパステックは、前年比200%の高い成長率を記録しており、存在感を見せています。さらに11位のニューズドテックは、リユース店や買取店などにスマホの店頭買取におけるガイダンスツールをリリースしたほか、法人専用販売サイト「トリスマBiz」の運営も始めています。
「携帯・スマホ」は2023年度に最も伸びた商材です。特に中古スマホは、マニアなものから、一般消費者にも渡り始めているのがこの数年の傾向と言えそうです。一方、中古PCでは明暗が分かれ、増収を遂げた企業もあればランキング外となった企業も見られました。
5:まとめ
中古スマホにおいては、2台持ちの需要や訪日外国人客によるインバウンド需要があり、販売台数が伸びています。これまで手頃なアイフォーン8が根強い人気を博していましたが、iOS17のサポート対象外となったことで「SE2」 等へ主役が移行していると見られます。
また若年層を中心に、10年以上前のレトロスマホのニーズが増加。フィルムカメラのような、画素数の低いレトロスマホのカメラが注目された形です。
さらに安心して買える中古品として、認定中古スマホが広がりを見せています。すでにiPhoneに加えGoogle Pixelが国内販売に乗り出しています。今後は従来の分野に加え、モバイル領域で認定中古の動きが広がりそうです。
環境省の調査では、携帯・ スマホは平均購入単価が上昇しており、市場の拡大が期待されている商材です。中古市場においても、端末価格の上昇に加えて販売台数が伸びたことで、大幅な増加となりました。
中古PCにおいては、Windows 10サポート終了による買い替え需要が生まれると予測されます。加えて、円安・物価高により新品パソコンの価格上昇が懸念されており、中古パソコンへの注目が一層高まっています。
こうした市場環境から、ITリユースはまさに変革期にあると言えます。今後の動向にも、ぜひご注目ください。
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