中古ホビー売上ランキング2023(2022年度)
2024年04月19日
中古ホビー売上ランキング2023がまとまりました。リユース業界専門紙「リユース経済新聞」がリユース企業の売上を調査、ホビー売上のTOP15社をランキング形式で紹介します。尚、売上高は2022年度の実績値となります。
1:中古ホビーランキングとは?
中古ホビー売上ランキングは、リユース経済新聞が毎年1回、全国のリユース企業を対象に行う調査「中古(リユース)売上ランキング」をもとに、ホビーの販売割合や販売量を算出し、紹介しています。
おもちゃ全般を扱う企業が対象になります。リユース事業でよく見られるホビーとして、フィギュアや鉄道模型、トレーディングカード、プラモデル、ソフビ、ラジコンなどがあります。
その他、総合的な調査結果はコチラの記事を参照ください:中古(リユース)売上ランキング2023BEST250(2022年度実績)
「リユース売上ランキング2023」調査概要
調査概要:2022年度におけるリユース売上高を基に順位付けを行った。22年4月から23年3月までのいずれかを通期決算月として締めたリユース売上を22年度実績とした(一部企業においてはその限りでない)
調査期間・方法:2023年5~6月に、インターネットフォーム、FAX、電話、メールのいずれかで回答を受け付けた
2:中古ホビーの市場規模は?
ランキング入りした企業の紹介に入る前に、中古ホビーの市場規模についてご紹介します。
リユース経済新聞の調査では、2022年のリユース市場規模は、2兆8976億円。そのうち中古ホビーの市場規模は2119億円で、前年比17.5%と伸長しています。玩具類のリユースは市場全体の7%程度ですが、その根強い人気から、前年に続いて2ケタ成長が続いています。
この成長を牽引するのが、トレカ市場の急拡大です。新作の発売時には購入希望者が長蛇の列を作り、レア品においては海外ユーザーも含めた争奪戦となっています。希少性の高い商品には、数千万円の高値がつくケースも見受けられました。
また、資産性の高さや商品の捌きやすさなどから、トレカ店が窃盗や強盗の対象になる被害も相次いでいます。
こうした相場の高騰により市場は加熱しつつありますが、現在では一過性のブームではなく、文化として定着しつつあると言えるでしょう。
出典:リユース業界の市場規模推計2023(2022年版) リユース経済新聞2023年9月25日号
3:売上ランキングTOP15社を紹介
ここからは、中古品(リユース)ホビー売上ランキングのTOP15社を紹介していきます。※印はリユース経済新聞の推計値、正確な数字とは異なる場合があります。
15位 ブックオフ福岡(ブックオフ) ホビー中古売上 7.9億円
15位は、ブックオフ福岡です。福岡県福岡市に本社を構え、ブックオフグループのフランチャイズ加盟店として福岡県、佐賀県、大分県で10店舗を展開しています。ゲームやおもちゃ、古着、楽器、家電などを幅広く取り扱っています。
14位 ポポンデッタ(ポポンデッタ) ホビー中古売上 10.6億円
14位は、本社を東京都千代田区に置く、ポポンデッタです。鉄道模型や書籍の買取販売、鉄道模型イベントの運営などを行っています。2024年2月から3月にかけ、グランツリー武蔵小杉店、金沢フォーラス店がオープンするなど、ショッピングセンター内への出店を進めています。
13位 買取王国(買取王国) ホビー中古売上 12.2億円
13位は、愛知県名古屋市に本社を置く、買取王国です。北陸・東海・関西地方で買取王国やマイシュウサガール、工具買取王国、WHYNOT、おたから買取王国などを運営しています。24年には6年ぶりとなる直営店、買取王国岐南店を岐阜県内にオープンしました。
12位 山徳(トレトク、推しトク) ホビー中古売上 14.6億円
12位は、石川県金沢市に本社を構える、山徳です。中古のトレカやゲーム、アイドルグッズ、着物などを、商材ごとの屋号で取り扱っています。海外マーケットでの販売も行い、90ヵ国以上にECチャネルを拡大。現在では売上の半分をトレカが占めています。
11位 スカラプレイス(カードショップ -遊々亭-) ホビー中古売上 ※16.5億円
11位は、スカラプレイスです。東京都千代田区に本社を置き、通販サイトであるカードショップ遊々亭の運営や、トレカイベントの企画運営などを行っています。また、Webサイトやデータベースシステムの開発や保守、オリジナル商品の開発なども行っています。
10位 クオーク(AKIBAリバティー) ホビー中古売上 ※20.0億円
10位は、クオークです。本社は東京都豊島区にあり、ゲームソフトやCD、DVD、カード、フィギュアなどのホビー商品の売買を行うAKIBAリバティーを運営。東京都千代田区と中野区で直営店8店舗を展開しています。
9位 ハードオフコーポレーション(ハードオフ・オフハウス・ホビーオフ) ホビー中古売上 20.5億円
9位は、本社を新潟県新発田市に構える、ハードオフコーポレーションです。リユース事業を軸に、ハードオフ、ホビーオフ、ガレージオフなど、7業態の多店舗展開を行い、それらのフランチャイズ事業も行っています。店舗数は国内・海外合わせて976店。また、ブックオフコーポレーションにもフランチャイズ加盟契約をしています。
8位 トレジャー・ファクトリー(トレジャーファクトリー) ホビー中古売上 21.9億円
8位は、東京都千代田区に本社を置く、トレジャー・ファクトリーです。リユース事業として、家具や家電、古着などを幅広く取り扱うトレジャーファクトリーを運営し、総売上は282.1億円です。またライフサポート事業、オークション事業、レンタル事業などを展開しています。
7位 晴れる屋(晴れる屋) ホビー中古売上 ※35.0億円
7位は、晴れる屋です。東京都新宿区に本社を置き、マジック:ザ・ギャザリングの専門店として全国に26店舗を出店。トレカの販売やイベント運営などを行い、実店舗の拡大とともにEC売上を伸長しています。
6位 カジ・コーポレーション(お宝創庫) ホビー中古売上 37.4億円
6位は、本社を愛知県名古屋市に構える、カジ・コーポレーションです。愛知から大阪にかけてのエリアでリユース事業を、全国でカラオケ機器の販売・レンタル事業を展開しています。リユース事業では、ゲームソフトやホビー商品を扱うお宝創庫などを運営しています。
5位 ヤマト(トイズキング・リアルクローズ) ホビー中古売上 37.8億円
5位は、ヤマトです。愛知県名古屋市に本社を置き、おもちゃ・フォギュア事業、ブランド・ファッション事業のほか、ソフビ販売事業を行っています。同社が経営するトイズキングとリアルクローズは、全国に店舗を展開しています。24年4月には初のおもちゃ販売店、TOYSKING NAGOYA PARCO店を名古屋市内にオープンしました。
4位 まんだらけ(まんだらけ) ホビー中古売上 ※58.1億円
4位は、東京都中野区に本社を置く、まんだらけです。東京都を中心に北海道、関西、福岡で古書籍・古物店の経営や自社出版物の編集、販売の事業を行っています。近年、店頭販売が伸長しているほか、通信販売も堅調に推移しており、総売上は105.8億円です。23年3月より田中幹教氏が社長に就任しました。
3位 テイツー(古本市場、ふるいち) ホビー中古売上 61.3億円
3位は、本社を岡山県岡山市に構える、テイツーです。ゲームやホビーを扱う、古本市場などを店舗展開しています。トレカのブームに伴い成長が続き、新品は44.3%、中古品は50.8%の売上増となりました。BtoBサービスの拡充や、インショップ型店舗の展開など企業間コラボレーションにも注力しています。
2位 ブックオフグループホールディングス(ブックオフ、ブックオフスーパーバザー) ホビー中古売上 182.3億円
2位は、ブックオフグループホールディングスで、3位とは100億円以上の差をつけています。本社を神奈川県相模原市に置き、ブックオフなどで中古書籍やDVD、ゲームを買取販売するほか、ブックオフスーパーバザーなどで中古アパレルやスポーツ用品などを取り扱っています。ヤフオク!ベストストアアワード 2023では、ブックオフオークションストアが4年連続で総合賞1位を獲得しました。
1位 エーツー(駿河屋・ブックマーケット) ホビー中古売上 216.7億円
1位は、エーツーです。本社を静岡県静岡市に置き、駿河屋、エーツー、ブックマーケットを運営し、それらをフランチャイズ事業としても展開しています。2024年時点で全国に128店舗を展開。最近では丸井グループとの提携により、商業施設内に実店舗を広げるほか、新刊書店との複合店舗開発にも乗り出し、チェーン流通拡大を進めています。
4:2023年(2022年度)調査から見えた変化
中古ホビー部門においては、「駿河屋」を運営するエーツーが210億円程度を売り上げ、玩具類シェアのうち、1割を占めていることがわかりました。
インバウンド需要の回復も大きな影響を及ぼしています。訪日外国人の増加により、リユース全体で市場規模が拡大。中古ホビー分野においても、各社の伸び率が顕著に高まりました。例えば、ブックオフGHDは61億円以上、3位のテイツーも27億円以上、前年から伸びています。
またトレカを扱う企業がランキング上位を占めており、トレカ分野の競争がますます激化していると言えます。
5:まとめ
ホビー商材は国内外から人気があり、近年は「ポケモンカードゲーム」のほか、「ワンピースカードゲーム」の発売が開始され、トレカ人気が加速しています。
この流れを受け、23年にはブックオフコーポレーションが初となるトレカやゲームソフトの専門店をオープンしました。その他企業もトレカの取り扱いを強化したり、既存店舗にデュエルスペースを設置するなど、各社に注力の姿勢が見られます。
またレトロゲームが世界的な流行を見せており、中古ホビー分野全体で、さらなる市場拡大が見込まれます。グローバルで高まる需要に各社がどう応えるのか、その去就に注目が集まります。
リユース経済新聞では、全国のリユース企業等を取材し、マーケットや企業の動向等の情報を発信しています。
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