リユース事業者同士で商品の売り買いができる、古物市場(オークション)。取り扱っているジャンルや金額など、実際に参加をしている事業者に実態をきいてみた。
- 質問事項
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(1) どの種類の市場を利用しているか(2) 市場で扱っている商材(3) 落札額(4) 仕入れ全体のうち市場仕入れの割合(5) 利用している市場
おもいで工房
- (1) 中古カメラ市場で仕入れ
- (2) 40~50年前のフィルムカメラやレンズ
- (3) 1回80万~100万円程度
- (4) 90%
- (5) ヴィンテージカメラオークション
市場で仕入れたフィルムカメラをネットで販売
フィルムカメラ落札300点
国内ECサイトやイーベイで販売
40~50年前のフィルムカメラやレンズを国内外でネット販売する、おもいで工房(東京都豊島区)では、中古カメラの手競り市に参加して仕入れをしている。基本的には特定の市場で月1回、平均80万~100万円程度、300点近く落札している。
競りにかけられる商品は事前に会場で下見ができるため、社内の2人が開催前の1~2日を要して、商品をチェックする。製造されてから古く、不動のものが多いため、現場で電池を入れてシャッターがおりるかどうかなどの確認をしている。こうした古いカメラは、仕入れた後に自社で修理し商品化する。「例えば1点2000~5000円で落札したものを、1万5000円前後の価格で販売しています」(山口健介社長)
ニコンやキヤノンなど、コンパクトなフィルムカメラは今、20代女性の購入客が増えている。コンデジやスマホでは出せない味わいを出そうとフィルムカメラで写真を撮影し、後にデータ化してインスタグラムなどにアップして楽しむ人が増えているという。「入門機として、数千~3万円程度のフィルムカメラが売れています」(同氏)
販売では自社サイトやアマゾン、イーベイなどネットを活用。国内外向けにそれぞれ、月に100台程度ずつ売り上げている。昨今は、古物業を始める個人事業主が増えている傾向にあり、同社が参加している市場の買い人も増えているという。こうした背景から、同社では買取サイトを立ち上げるなどして、個人からの買取りにも力を入れている。
山口健介社長
第523号(2021/11/10発行)14,15面