コロナ禍は高齢者に深刻な影響を及ぼしています。家族と会えない状態が長く続き、その間に認知症が進んだり、自宅がゴミ屋敷化した事例も多発しています。今回は親しくしていた姉と会えなくなり、健康や住環境を悪化させてしまった70代の男性のケースをご紹介します。
コロナ禍で姉と会えなくなり
健康と住環境壊した高齢男性
高齢者への家事代行も提供している
「コロナ禍で孤立し、一人暮らしの高齢者の家がゴミ屋敷化したり、健康状態が悪化する事例が増えています」。こう語るのは生前整理・遺品整理や高齢者向けの掃除サービス、家事代行などを提供する いまここ(東京都千代田区)の白坂裕子代表。今年の夏、白坂代表が片付けを依頼された案件もその一つだった。
依頼者は長野県に住む高齢の女性だった。片付ける場所は女性の弟が住む都内の一軒家。女性は一人暮らしの77歳の弟と仲が良く、コロナ禍以前は定期的に会っていた。コロナで会えなくなった後もLINEやメールで連絡を取っていたが、数週間前からふっつり連絡が付かなくなった。
第524号(2021/11/25発行)23面