ネット古書店 「嵯峨野」駆け上がる
2015年01月27日
6畳一間から年商10億円へ
3年前にはスタッフ3人で赤字を抱えていたのに、現在ではスタッフ60名で今期10億円の売上を見込んでいるネット古書店がある。嵯峨野(東京都福生市)がそれ。サテライト戦略や、ビジネスモデルの転換など同社の飛躍の秘密に迫った。
嵯峨野には25万点の潤沢な在庫がある。どうやって集めたのかと運営サイトを覗くと、「ビジネス書買取エクスプレス」「医学書買取レスキュー」などターゲットを絞り込んだ専門サイトがあることに気付く。
「古本」というキーワードは戦いが激しいため、ニッチキーワードでお客を集めているのだと言う。
昨年12月にオープンしたばかりなのは「絵本買取バンビーニ」だ。クリスマス前には贈り物として絶版や初版の絵本の人気が高まるため、季節商材として集中的に強化した。
同社はこうした専門特化した入口づくりを、「サテライト戦略」と呼んで力を入れている。
一か八か宅配買取開始
実は嵯峨野はこれと前後して、ビジネスモデル自体の大転換も行った。販路は今と変わらずアマゾンなどネットだったが、商品調達はそれまで出張買取をメインに行っていたのだ。しかし、商圏に縛られるやり方がハマらず赤字が膨らみ、2011年から2012年にかけては後が無い状態にまで追い込まれた。
360号(2015/01/25発行)16面