中古楽器の国内外販売で年間23億円を売り上げているGRACE(グレイス・神奈川県横浜市)。このほど楽器メーカーを買収し、海外販売を視野に業容拡大を図る。「錬金堂」の屋号による買取店舗網も拡大しており、2年で50店と成長著しい。会社全体の年商は創業10年で70億円に到達する見込みという。沢村優太社長に話を聞いた。
中古楽器年商23億、メーカー買収で海外D2Cへ
出張買取チェーン「錬金堂」成長
2年で国内50店、今後倍増に
沢村優太社長
デジタルマーケに強み
楽器買取依頼月3千件
── 楽器の出張買取、国内外EC、海外店舗と多岐にわたる御社ですが、改めて創業経緯を。
沢村 10年以上前、会社設立前は自分1人で現場からサイト運営まで何でもやり...という状況でした。デジタルマーケティングを覚えていく中でネット集客→出張買取→ネット販売という流れで雪だるま式に拡大してきましたが、そのうち1人では対応しきれなくなり。そこが自分の中での転機で、まずはデジタルマーケの会社を作ることにシフトしました。2012年に現取締役2人とGRACEを設立し、中小企業の集客支援や売上向上のコンサルティングを展開したのが始まりです。
リユースの同業者に買取りの送客をするサービスもあり、月間に欲しい分の案件を提供しています。これが年間15万件になります。
── 会社設立時点で楽器のリユース事業は?
沢村 楽器の方も伸ばしていくため、自社でマーケのチームを持ってリスティング広告、SEO、アフィリエイトに力を入れてきました。サイト開発も改善もインハウスでやれる、今日伝わったことが明日には改善される、という仕組みを作り上げ、楽器の買取依頼で月間3500件を集めるまでに成長してきました。こうして今、「楽器事業部」があるので、何の会社かと聞かれたら、やはり一番の売上げを誇る楽器をメインとする会社、ですね。一番多いのはエレキギターですが、楽器なら全般買い取っています。
第530号(2022/2/25発行)9面