「偽物ホビー」なぜ増加? 巧妙なホログラム、事業者翻弄
2022年05月31日
ホビーの偽物(以下、非正規品)が増えている。ブランド品と異なり、複製が容易で真贋の整備が追いついていない穴を突いた形だ。22年初頭、弊紙宛てに非正規品被害に遭ったという企業の代表から匿名を条件に情報を得た。事例や対策などを交え、ホビー界隈の実態を特集する。
巧妙にホログラムを偽造していた
50万円分のガレージキットすべてが「非正規品」の衝撃
精巧に正規品に似せた非正規品、いわゆる「スーパーコピー」の流通が関東でみられるようになった。特徴は、従来の重要な真贋ポイントだった「証紙」(ホログラム)まで精巧に偽造されている点に有る。
千葉県内のリユース店では、外国籍とみられる依頼者から模倣品を買い取るトラブルがあった。21年末に、電話で「急いで買取を行ってほしい」との依頼があり、一旦は店舗側が多忙を理由に断った。ところが1月に同様の連絡が入り、出張買い取りへ。
室内にはホビーが大量に積まれており、出処について依頼者は多くを語らなかったという。同店はリスクを踏まえ低めの査定額を提示。依頼者は金額に不満を持ちつつ、商品計11点・約50万円で成約した。
第533号(2022/4/10発行)12,13面