4月末、ドル円相場が「130円台」をつけて話題となりましたね。2002年以来、実に20年ぶりの円安水準だそうで、あまりの急落に経済や物価への影響を心配する声も上がっています。今年の2月初めには115円前後だったのが、たった2ヵ月で15円近くも円安が進んだのですから当然ですね。
当然、ブランド古物相場にも大きな影響が出てくるもの...。そう思っていましたが、この2年ほどで市場は大分変化したようです。というのも、コロナ禍以前は為替が1~2円上下すると、相場にもダイレクトに響いていたのですが、この1ヵ月程度の市況を見る限りは大きく影響していません。もちろん、海外輸出の際は国内との価格に開きが出ますが「国内相場に関してはさほど響いていない」といったところでしょうか。為替の値動きに売り手も買い手も慌ただしく動いた、かつての光景は見られません。
環境ガラリと変化、コロナで加速
これには様々な要因があるかと思いますが、ひとつはコロナ禍以降、ビジネストラフィックが縮小し輸出入に滞りが出たことで、国内市場の相場が過熱化していったことが影響しています。ビジネストラフィックは少しずつ緩和されつつあるものの、いまだ制限があり、国内の相場はガラパゴス化しています。
第536号(2022/5/25発行)17面