マルニファニシング、老舗家具店が中古参入
2022年08月14日
老舗木工家具メーカーのマル二木工(広島県広島市)のグループ会社で修理業を主に担うマルニファニシング(東京都中央区)がこのほど自社の中古品を独自でリメイクし、再販する事業を本格開始した。同社はこれを「リノベーション」と銘打ち、長年培ってきた高度な修理技術で同業他社から差別化を図る考え。専用ECサイトでの販売を事業の手始めに、今後は異業種との協業にも前向きだ。
独自「リノベーション」で訴求
さらに20~30年使える製品を目指すという
SDGsの機運
これまで同社は依頼のあった自社商品の修理を主に受け付けていた。そこではSDGsに端を発した、家具修理の需要の高まりを日々実感するものの、顧客からの依頼ありきという受け身の事業体制に危機感も覚えていた。そうして成長戦略を模索する中で、90年以上の歴史のある総合家具メーカーが母体という技術力を強みにした、付加価値の高い修理品「リノベーション家具」に活路を見出した。
60~70年代の自社中古品
リノベーション家具のもととなる中古品は、主に60~70年代のマルニ木工製(自社製)家具だ。仕入れは、自社に残っているものや過去の納品先業者からの回収などでまかなう。「1点もの」であるため、販売単価の平均額は一概に出せないが、おおむね新品価格の6~7割程度。家具の種類はチェア、ソファ、テーブルなど。すでにECサイト上では1952年から1976年製の証である孔雀マークを付したリノベーション家具を販売中。「特徴は繊細かつ大胆な修理力。たとえば木部の塗装を全部剥がし、それからまた塗装を施すということもやる。現代にはない重厚感が魅力」と山中洋社長は説明する。ゆくゆくは海外製の他社商品も含めて広くリノベーション家具を製作するつもりだ。
第541号(2022/8/10発行)11面